2024.10.10
水を飲むことは二日酔い予防にならない!?▽世界で増加する子どもの近視率 世界で一番子どもの目が悪い国は日本…!▽感染症をシャットアウトする点鼻スプレー 新型コロナもインフルも予防
世界各国の大手メディアや医療メディアが配信しているニュース、医学誌や科学誌に掲載された論文の中から、皆さんにぜひ知ってほしいものをマイシュー(毎週)厳選してお届けします。今回は9月26~10月2日にマイナビDOCTORの『サクッと1分!世界の医療ニュース』に掲載した記事の中から、編集部のメンバーがそれぞれイチオシのものを選びました。二日酔いと飲水の関係、世界で増加する近視の子ども、感染症を防ぐ点鼻スプレー――に関するニュース3本を紹介します。
まとめ:医療ニュース編集部
金子記者のイチオシ!
汽笛をけたたましく鳴らす機関車が頭の中を縦横無尽に走っているかのような痛み、別の星に来たのかと思うほどの重力を感じる体、「ボージョレ・ヌーボー」の評価のようにいとも簡単に更新される「ここ数年で一番」の気持ち悪さの波……。そんなヘビーな二日酔いに対して、昨日の自分を何度呪ったことでしょう。呪術の才能がなくてよかった。才能があったら、私にかけられた呪いは、すでにおはらい不可能なレベルでしょうから。
さて、お酒好きの皆さん。飲酒するとき、水を飲んでいますか。二日酔いを防ぐために一番手っ取り早い方法は、やっぱり水を飲むことですよね。「お酒と同じ量の水を飲むと二日酔いにならない」という話は、よく聞きます。私も二日酔いは勘弁ですから、飲み会中や、寝る前にできる限り水を飲むようにしています。 だからこそ、「飲酒中や飲酒後に水を飲んでも二日酔いを防ぐ効果はほとんど期待できない」と結論付けられた海外の研究には驚きました。
それと同時に、過去のとある酒席のシーンを思い起こしました。 会社の忘年会が佳境を迎える中、「人数分、やわらぎ水をお願いします」とオーダーしたことをきっかけに、「気が利くヤツ」という立ち位置を獲得し始めた同期。「チェイサーください」と、使いたくて仕方がなかった新品の横文字をおろし、(思い出の中ではスローモーションで)チラりとこちらを見てきた大学の友人。「へっへーん、あいつら意味なかったんじゃーん」と少し穏やかな気持ちになりかけましたが、やはりそんなことより、自分のやってきたことは効果がなかったのか?と不安になりました。
ですが、それでも私は飲酒の際に水を飲んだ方が良いのは間違いないと思います。この研究の調査対象者たちと日本人ではアルコールの代謝機能に違いがあるでしょうし、元も子もないですが、この結果が絶対に正しいというわけでもありません。私は、水分をしっかり取った場合の方が、二日酔いは軽くなるという自分の経験と感覚を信じます。
最後に、訂正します。二日酔いの一番の予防策は、「水を飲むこと」ではなく「お酒を控えること」ですね。今年も残り3カ月。酒量が増えるであろう年末年始はすぐそこです。良いアルコールライフを過ごしましょう。
Alcohol:Alcohol hangover versus dehydration revisited: The effect of drinking water to prevent or alleviate the alcohol hangover

2024-10-02
「水をたくさん飲むと二日酔いを防げる」という説は本当なのでしょうか。オランダなどの研究チームが、飲酒や二日酔いに関する13の研究結果から、アルコールの利尿作用によって引き起こされる脱水と二日酔いが関連しているかどうかを分析した結果を科学誌Alcoholに発表しました。
チームの分析の結果、脱水と二日酔いが同時に起こる可能性は否定されませんでしたが、この二つが直接関連しているという証拠は見つからなかったそうです。学生826人を対象とした研究では、水を飲んで二日酔いを和らげようとしても、その効果はほんのわずかだったといいます。
また、18~30歳の参加者29人を対象とした別の研究では、脱水の感覚は、頭痛など他の二日酔いの症状ほど長く続かないことが明らかになったそうです。
チームは、飲酒中や飲酒後に水を飲んでも、翌日の二日酔いを防ぐ効果はほとんど期待できないと結論付けました。さらに、二日酔い中に飲む水の量で、二日酔いの重症度が変わることもなかったといいます。
阿部記者のイチオシ!
最近、小学生の息子が暇さえあれば読書に熱中しています。なんでも、「ワクワクが止まらない」小説シリーズを見つけたそうです。楽しそうに本の世界に浸る息子を見てほほ笑ましく思う反面、ふと気づくと暗い所で読んでいたり、本と目の距離が近すぎたり……。「そろそろ目が悪くなりそうだな」とハラハラしています。
中国の研究チームが、近視に関して世界50カ国の子ども540万人以上のデータを分析した結果を発表しました。世界の子どもの近視有病率が上昇しており、中でも日本の85.95%は世界1位だというのです。
世界1位!? 85.95%!? まさか近視の子どもがそこまで多いとは思わず、本当に驚いてしまいました。でもそういわれてみれば、久しぶりに会った息子の同級生が知らないうちに眼鏡をかけるようになっていたということがよくあるのです。親同士の会話でも、子どもが小学校に上がった頃から近視や眼鏡に関する話題がぐっと増えたように思います。子どもの近視は、私が思っていた以上に身近な問題のようです。
英国の専門家によると、近視リスクを抑制するには、7~9歳の間は毎日少なくとも2時間外で過ごすべきだといいます。実は、息子はちょうど9歳です。日本の子どもにこんなに近視が多いのなら、いずれ視力が低下するのは避けられないかなと思いつつ、外で遊ぶ時間も大事にするよう息子に声をかけました。

2024-09-27
近視の子どもが世界中で増加しているそうです。中国の研究チームが、世界50カ国の子ども540万人以上のデータを分析した結果を医学誌British Journal of Ophthalmologyに発表しました。
チームの調査で、1990年に24.32%だった世界の子どもの近視有病率は、2023年には35.81%に上昇したことが明らかになったといいます。特に、新型コロナウイルス感染症のパンデミック中に子どもたちが長期間外に出られなかったことが関連している可能性があり、50年までに世界の子どもの近視有病率は39.8%に達すると予測されています。
子どもの近視の割合が最も高いのはアジアで、なかでも日本の85.95%は世界1位だといいます。一方、南米のパラグアイや東アフリカのウガンダでは約1%と最も低いとのことです。英国や米国では約15%でした。
英国の専門家によると、近視リスクを抑制するには、7~9歳の間は毎日少なくとも2時間外で過ごすべきだといいます。また、近視は遺伝する可能性が高く、親が近視の場合、子どもの近視リスクは3倍になるとのことです。
許田記者のイチオシ!
コロナ下から続くマスク生活がとても嫌です。湿気や摩擦、肌の乾燥でメイクが崩れ、冬は眼鏡のレンズが曇ってしまいます。メイクが好きで、眼鏡が手放せない私には憂うつな日々です。感染症対策のために、外出するときは今もマスクを着けており、どうしても気分が落ち込みます。
そんな私にとってうれしいニュースが入ってきました。感染症予防ができる点鼻スプレーが開発されたそうです。新型コロナやインフルエンザ、RSウイルスなど、試験をした病原体のほぼ100%をブロックし、無力化したといいます。
感動です。実用化されたら、マスクを着けなくていいんですよ! メイクも崩れず、眼鏡の曇りも気にせず、気持ちよく一日を過ごせるようになります。これ、共感してくれる人は多いのではないでしょうか。店頭にこのスプレーが並ぶ日が本当に来てほしいと、心から思います。

2024-10-01
さまざまな呼吸器感染症を予防する点鼻スプレーを開発したと、米国の研究チームが科学誌Advanced Materialsに発表しました。チームは、米食品医薬品局(FDA)がすでに承認している点鼻スプレーの成分やFDAの安全基準を満たしている成分を使って、点鼻スプレー「Pathogen Capture and Neutralizing Spray(PCANS)」を開発したそうです。
このスプレーには薬剤は一切含まれていませんが、鼻の内側にジェルが形成され、それがウイルスや細菌を捕らえて無力化する仕組みです。マウスの実験では、スプレーを使ったマウスは、致死量の25倍のインフルエンザウイルス(H1N1型)を投与しても、100%が生き残ったそうです。
さらに、スプレーを使わなかったマウスに比べて、肺のウイルスレベルが99.99%以上少なくなることも分かったといいます。感染防止の効果は少なくとも4時間持続。新型コロナやRSウイルスなど、試験した病原体のほぼ100%をブロックし、無力化したそうです。
編集部は毎日、 医学誌や科学誌のほか下記のメディアなど をチェックし、取り上げるニュースを選んでいます。
BBC/ CNN/ CBS News/ ABC News/ NBC News/ AP通信/ NPR/ USA TODAY/ ABC News(Australian Broadcasting Corporation)/ Health Europa/ Medical Xpress/ Science Alert/ Science Daily/ Medgadget/ INSIDER/ Asian Scientist Magazine/ Medical Brief/ Psy Post/ Psychology Today/ MIT Technology Review/ i/ The Conversation/ SciTechDaily/ Healthline/ EurekAlert!藤野基文:記者・編集者。2004年から全国紙の記者として勤務し、主に医療・科学分野を担当した。18年にマイナビに移ってからは、グループ会社エクスメディオ社が運営するオンライン臨床支援サービス『ヒポクラ×マイナビ』の編集長を務め、現在は『マイナビRESIDENT』や『マイナビDOCTOR』などの各種コンテンツを制作している。
金子省吾:記者・編集者。2017年から地方紙に勤務し、主に社会部の記者として事件・事故や司法、市政、スポーツ、気象、地域活性化の取り組みなどを取材した。20年にマイナビに移って医療の取材をはじめ、グループ会社が運営するオンライン臨床支援サービス『ヒポクラ×マイナビ』編集部で医療ニュース作成に携わった。現在は『マイナビRESIDENT』や『マイナビDOCTOR』などの各種コンテンツを制作している。
許田葉月:記者・編集者。2021年からウェブメディアに勤務し、文学や音楽などのトレンド、社会課題などを取材した。23年にマイナビに転職して医療の取材を開始。『マイナビRESIDENT』や『マイナビDOCTOR』で各種コンテンツの制作を担当している。
阿部あすか:翻訳家、ライター。東京外国語大学(英語専攻)を卒業後、大手法律事務所の米国人弁護士などの秘書、英会話学校の講師、専門紙の英語版編集者として勤務した。2019年から編集部の一員として医療ニュースの記事を執筆している。