2025.07.31
人工甘味料の「エリスリトール」は、これまで考えられていたほど人体にとって安全ではないかもしれません。米国の研究チームが、エリスリトールが脳の健康に悪影響を及ぼす可能性があるとの論文を医学誌Journal of Applied Physiologyに発表しました。
エリスリトールは、ブドウ糖を原料に酵母で発酵させて作る糖アルコールの一種です。砂糖の約80%の甘さを持ちながらカロリーはほとんどなく、低糖質・低カロリーをうたう商品に広く使われています。また、血糖値やインスリン値への影響が小さいため、肥満や糖尿病の人々にも人気があります。
チームは、ヒトの脳血管内皮細胞に対し、市販の無糖飲料1本分に相当する量のエリスリトールで3時間処理する実験を実施。その結果、血管を拡張させる一酸化窒素の生成が減少し、逆に血管を収縮させるタンパク質である「エンドセリン-1」の生成が増加しました。
また、血栓を分解する物質「t-PA」の生成が著しく鈍化していることも明らかになりました。さらに、細胞損傷や組織炎症を引き起こす「活性酸素(ROS)」が多く発生することも確認されました。
これらの変化は、血管の収縮や血栓の分解能力の低下を引き起こし、脳卒中のリスクを高める可能性が高いことを示しています。なお、過去の研究で、血中エリスリトール濃度が高い人ほど、3年以内に心筋梗塞や脳卒中を発症するリスクが高いことが報告されています。