2026.03.19
皮膚科の専攻医、初期研修医のぶっちゃけトークです。皮膚科は子育てがしやすい?
皮膚科の専攻医モモカ(ハンドルネーム)と初期研修医タイチ(同)の対談の最終回をお届けする。
皮膚科と内科の間で最後まで進路を迷ったというモモカ医師。初期研修で培った内科的な視点を、皮膚科に進んだ後も生かす機会があったという。そんなモモカ医師が語る、皮膚科医が内科を学ぶことの意義とは。それから、子育てがしやすい、女性管理職が多いという皮膚科の特徴や、「男女共に日傘差しがち」などの“あるある”を紹介した。
最後は、診療科選びに迷った時の考え方について語ってもらい、対談は終わりを迎えた。
初期研修医タイチ
皮膚科の魅力は何だと思いますか?
専攻医モモカ
一つは、新生児から100歳を超えたおじいちゃんおばあちゃんまで、本当に老若男女を診られること。あとは、良くなっていくのが目に見えて分かることです。
初期研修医タイチ
一目で分かるのはメリットですよね。
専攻医モモカ
例えばアトピーの患者さんは、かゆかったり痛かったりして着たい服が着られないとか、学校に行きたくないとか、そういうことがあります。新たな生物製剤が出てきていて、はた目から見るとアトピーのない肌のようになるんです。
初期研修医タイチ
効果の高い新薬がどんどん出てきますよね。
専攻医モモカ
はい。それで、10年間行けずにいた東京ディズニーシー(千葉県浦安市)に行けたとか、浴衣を着て花火大会に行けたとか、そういう報告をもらえるとすごくうれしいです。皮膚科医をやっていてよかったなと思います。
初期研修医タイチ
患者さんのQOL(生活の質)が上がって喜んでもらえるのはポイントだと思います。医師のQOLはどうですか?
専攻医モモカ
夜に起こされることがあまりないというのが良いですね。私は昼間忙しいのは全然いいんですけど、夜中の2時とか4時に起こされるのは苦手だってことが、初期研修の2年間で分かったので(笑)。
初期研修医タイチ
僕も、ずっと起きているのは平気なんですけど、寝ていて起こされるのが苦手なので、それが少ないのはいいなあと思います。
専攻医モモカ
あとは、出産・子育てが比較的しやすい科だと思います。私の先輩たちも専攻医1~2年目で出産して産休を取って、復帰しています。保育園のお迎えの兼ね合いで遅くまで働けないけど、日中は頑張って仕事したり勉強したりしている先輩が多いですね。
初期研修医タイチ
出産・子育てがしやすいというのは大きなメリットですね。
専攻医モモカ
教授や、関連医学会の幹部にも女性の割合も大きいですし、女性がトップを務めている組織も多いので、女性のキャリアプランをイメージしやすいっていうのも魅力だと思います。
初期研修医タイチ
記憶に残っている症例はありますか。
専攻医モモカ
処方された抗菌薬が効かないという皮膚の結節の患者さんがいて、抗酸菌が原因ではないかと疑って培養を行ったところ、見立てが当たっていました。薬を変えて、後日、抗酸菌が検出されなくなったと聞いたときは、達成感がありました。元々私は内科志望で、皮膚は臓器の状態を反映する「窓」という考え方が好きで皮膚科医になったので、皮膚を介して内科系の病気を見つけられた時はやっぱりうれしいです。自分が一番やりたかったことだと思いますね。
初期研修医タイチ
内科が気になることはもうありませんか?
専攻医モモカ
皮膚科に進んだ後も、上級医に必ず方針を確認しながらですが、一般内科の外来を一部手伝う機会がありました。もちろん特殊なケースだとは思いますが、自分の中では、内科と皮膚科の間で悩んだ気持ちの落としどころにもなっていたと思います。
初期研修医タイチ
確かに、そういう経験はあまり聞かないですね。
専攻医モモカ
そうですね。皮膚科と内科の両方の視点が少しあることで、患者さんを全身で診る意識はすごく養われたと思います。
初期研修医タイチ
“内科に強い皮膚科医”はロールモデルの方がいるんですか?
専攻医モモカ
正直、自分の周りにはいないですね。ただ、皮膚科でも内科的な視点が必要になる場面はあると思います。例えば皮膚科の上の先生が、病棟管理のときとか、培養結果が出てどの抗生物質(抗菌薬)を使えばいいか迷ったとき、私が初期研修で学んだことが、感染症や全身管理の視点で少しお役に立つという場面があります。
初期研修医タイチ
初期研修で皮膚科を2カ月間回りましたが、病棟管理をしている時には内科的な側面が必要な瞬間があることを感じました。やはり内科もちゃんと勉強しておくのは大事だなと思います。
初期研修医タイチ
皮膚科医はどんな人が多いですか?
専攻医モモカ
小さい子がよく来るので、子ども好きな人が割と多いと思います。クリスマスの時季とかは「サンタさんが来るように注射頑張ろうね」とか、話しています。
初期研修医タイチ
僕も子どもは好きなので大丈夫だと思うんですけど。やはり皮膚科って女性が多くて、けっこう女性社会的なところがあると思うんですけど、そこをうまくやっていくために男としてはどうすればいいんでしょうか……。
専攻医モモカ
いや、普通にしていればいいんじゃないですか(笑)。でもたしかに、内科学会と皮膚科学会の雰囲気は本当に違います。内科学会は圧倒的に男性が多くて、眼鏡でスーツで黒いリュックか黒いかばんの人が大半です。
初期研修医タイチ
なんか分かります(笑)。
専攻医モモカ
皮膚科学会は子連れの人も多くて託児所があるんですよ。託児所で風船を配っているみたいで、セッションの間に風船を持ったお子さん2人を両サイドに連れて歩いている医師がいるというのが皮膚科学会だと普通の光景です(笑)。子育てにフレンドリーな学会だと思います。あと、男女問わず移動の時に日傘めっちゃ差してます。
専攻医モモカ
私は内科と皮膚科で、本当に最後まで迷っていました。国外での院外研修をきっかけに、感染症科も真剣に考えた時期がありましたが、最終的にはまず皮膚科で研修してみようと決めました。どちらにも魅力があって迷いましたが、自分が納得できる落としどころを作った上で、実際に飛び込んでみることにした、という感じです。
初期研修医タイチ
なるほど、納得できる落としどころを作ることが大切なんですね。
おわり
tica ishibashi
イラストレーター、ファッションクリエイター。
アパレル商社のデザイナー職を経てフリーランスに。見た瞬間に「ずきゅん」と一目ぼれするような胸に響くクリエーションをモットーに、ファッションに特化したクリエイティブワークを展開する。イラストレーション、ファッションデザイン、アートディレクションと幅広く活動。広告グラフィックやブランドイメージビジュアルなどのさまざまなファッションイラストの制作と、アパレル企画や衣装などのファッションデザインを手がけている。2023年度JIAイラストレーターオブザイヤー最優秀商品イラスト賞受賞。
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