2025.09.05
紹介者は「この本を読み終えた頃には『他人からの期待に応える人になろう』ではなく、『自分が納得できる幸せな人生を歩もう』という気持ちになっているはず」と、この本をお薦めしてくれました。
内容
フロイト、ユングと並ぶ心理学三大巨匠の一人、アドラー。日本では無名に近い存在ですが、欧米での人気は抜群で、多くの自己啓発書の源流ともなっています。本書では、アドラー心理学の第一人者である岸見一郎氏がライターの古賀史健氏とタッグを組み、哲学者と青年の対話篇形式で彼の思想を解き明かしていきます。(ダイヤモンド社のホームページから引用)
紹介者:おちば
診療科:腎臓内科
医学部卒業年:2017年
突然ですが、この記事を読んでくださっている先生は、今までどんな人生を歩んでこられたでしょうか? 医師という仕事に就くまでの過程で、周囲からの期待やプレッシャーを受けながら、努力を続けてきたのではないでしょうか。また、医師になってからも、上級医や周りの人から、同僚と比べられたり評価されたりしてきたのではないでしょうか。
周囲からの期待や評価を求める気持ち(いわゆる「承認欲求」)は、やる気の原動力の一つとして一定の効果があります。でも、それだけを気にしていると苦しくなってしまうことがありますよね。特に、結婚や出産などでライフステージが変化すると、自分の時間が確保できなくなり、仕事・キャリアが思うようにいかず、悩むこともあると思います。
僕は、専攻医の時に子が生まれました。急性期病院で朝から晩まで働き、さらに夜にカンファレンスの準備をしたり慣れない学会発表の準備をしたりと、仕事だけでも大変な時期でした。妻、子との生活は幸せである一方で、子育てという大変なタスクが加わることで、自分も(そして妻も)精神的・体力的に限界を迎えていました……。
その忙しい時期に、通勤中に読んだのがこの本です。「アドラー心理学」を基に作られた本で、人生に悩める若者が哲学者と対話する中で学びを得るという読み進めやすい構成になっています。僕は「仕事を頑張りたい。でも、家族も大切にしたい」という気持ちの間で悩んでいましたが、この本を読むことで周囲の環境に対する捉え方が変わり、自分の考えが整理できました。
人には人の数だけ生き方の「正解」「幸せ」があります。年収やスキル、業績、仕事の良し悪しは誰かと比べるものではありません(比べるだけで生きていたら、比べる相手がいなくなったときに途方に暮れてしまいますよね)。
自分にとっての幸せは自分にしか分からないし、たとえ選んだ道が失敗だったと思ったとしても、その道でうまく「幸せ」につなげていけるのも自分自身です。
この本を読み終えた頃には「他人からの期待に応える人になろう」ではなく、「自分が納得できる幸せな人生を歩もう」という気持ちになっているはずです。キャリアやワークライフバランスに悩んでいる若手医師は、ぜひご一読ください!
岩本あかり
東京を中心に、イラストレーター・UIデザイナーとして活動。 シンプルな線に、軽快な色面。 どこにでもありそうな景色に、ひとつまみのユーモアを。 見た人がクスッと楽しくなる絵を描く。
HP: https://akariiwamoto.com
Instagram: https://www.instagram.com/akari.iwamoto