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2024.06.14

小徳羅漢医師(1)「お産がとれる総合診療医」になる! 奄美大島での「はちゃめちゃ」離島ライフ

産婦人科医と総合診療医の二足のわらじを履き、鹿児島県の奄美大島で働く小徳羅漢医師の連載がスタート! 島医者、二児の父として過ごす日々を、写真と共に紹介します。今回は奄美大島の魅力や、妻の分娩を担当し、我が子を自ら取り上げた時の話などをつづっています。

はじめまして! 鹿児島県の奄美大島で働く医師の小徳羅漢(ことく・らかん)といいます。僕は、全国に数人しかいないといわれている「産婦人科医」と「総合診療医」の二足のわらじを履いた医師です。子どもからお年寄りまで、そして妊婦も診られる「一家に一台置きたくなる家庭医」を目指しています。この連載では、写真と共に僕の「はちゃめちゃ」な離島ライフを紹介します!

文・写真提供/小徳羅漢

妻と筆者と長女。奄美大島の周りには透き通った瑠璃色の海が広がる=2021年7月
僕が住んでいる奄美大島は、鹿児島県本土と沖縄本島のほぼ真ん中に位置し、透き通った瑠璃色の海と深い森を持つ人口約6万人の島です。国の特別天然記念物のアマミノクロウサギや森の守り神のハブ、ご飯に鶏肉や錦糸卵を載せて鶏ガラスープをかけて食べるソウルフード「鶏飯(けいはん)」、よもぎと黒糖を使った餅菓子「かしゃもち」、奄美民謡の「島唄」――といった独自の魅力がたくさんあります。奄美大島の温かい人たちが大好きです。奄美三線の音色が聞こえてきたらいつでも踊り出しちゃうくらい陽気で、新しいものを受け入れる柔軟さがあります。そして、子どもを大切にする文化が、奄美大島には根付いています。

第一子である長女を筆者自ら取り上げた時の様子。27時間を超える難産でした……!=2020年10月
僕は2020年に産婦人科医として奄美大島に赴任しました。それ以来、出産、不妊治療、月経困難症、更年期障害や乳がんなど、女性の健康に幅広く向き合ってきました。

プライベートでは、20年10月に長女が、24年3月に長男が生まれました。2人とも僕が取り上げました。本来、赤ちゃんを取り上げるのは助産師の仕事なので、自分の子どもを取り上げる産婦人科医はそんなにいないと思います。ただ、僕の産婦人科の先輩も自分で取り上げたという人が多く、僕も「自分で我が子を取り上げたい」と模型などで練習をして、「その時」に備えていました。1人目の時は目の前のことに精いっぱいで妻の体にも負担をかけてしまい、うれしさが一番ですが、「もっとこうすれば良かったかな」と反省もありました。でも、我が子を取り上げた時の感動は言葉にできません。2人目は医師としての成長も感じることができました。だいぶ余裕を持って、妻や生まれた我が子に向き合え、2人の我が子を自分で取り上げた時は「産婦人科医をしていて良かった」と心から思いました。

奄美大島では年間300~400件の出産があり、それを二つの病院でカバーしています。僕の受け持った母子に病院外でばったり会うことも度々あります。自分が取り上げた子どもたちの成長した姿を街中で見ることができるのは、地方で産婦人科医をする魅力かもしれません。

鹿児島県立大島病院のドクターヘリ。撮影者は妻です=2024年1月
僕が働く鹿児島県立大島病院にはNICU(新生児集中治療室)とドクターヘリが備わっているため、喜界島や徳之島などの奄美群島まで、緊急対応が必要な妊婦さんを迎えに行くことがあります。また、大島病院で対応できない患者を鹿児島県本土や沖縄本島の病院に搬送することもあります。

さまざまな離島を見てきて、赤ちゃんを安心して産み、育てられる環境の大切さを感じています。少子高齢化や人口減少に悩む島にとって、本当に大事なことです。もちろん、あらゆる年代を診られる医師の存在も必要です。だから、赤ちゃんから老人まで誰でも診られる「お産がとれる総合診療医」になりたいと思いました。その第一歩としてまずは産婦人科の道を選び、専門医を取得しました。そして、23年4月からは総合診療医になるため、専攻医として小児科や内科、救急科で多様な疾患を学び、いろいろな角度から奄美大島という島全体を診る経験をさせてもらっています。

日本全国の医学生や研修医たちに離島医療や奄美大島の魅力、「総合診療×α」のキャリアについて発信していきます。お楽しみください!

※鹿児島県立大島病院・小徳羅漢医師が連載を担当します

PROFILE

小徳羅漢(ことく・らかん)

小徳羅漢さんのプロフィール

鹿児島県立大島病院に勤務。
1991年、茨城県生まれ。小学校高学年の時から神奈川県で暮らす。16年、東京医科歯科大学卒業。鹿児島市医師会病院で初期臨床研修後、18年には長崎県上五島病院で、19年には離島へき地医療の最先端といわれるオーストラリア・クイーンズランド州で研修。20年から現職。街中で医師らに無料相談ができる「暮らしの保健室」を開催している。趣味は温泉巡りと映画鑑賞、そして島巡り。18年に結婚し、20年に夫婦で鹿児島県奄美市に移住。2人の子どもを育てている。
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