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2025.12.18

精神科医 益田裕介の言いたい放題! 第15回「益田裕介41歳、撮影現場に白衣を忘れる。」

やってはいけないときに限ってやってしまう「忘れ物」

先日、動画配信メディアで番組の収録があった。僕を含めて医師2人がゲストとして出演し、ホストとトークするという内容だ。事前の打ち合わせで白衣を持ってくるよう言われていたが、当日、見事に忘れた。相方の医師は当然忘れることはなく、僕だけ私服で収録に臨んだ。

幸いにして笑って済まされたが、もしお堅いテレビ局で同じミスをしたら、アテンドしたスタッフはこっぴどく怒られるだろうし、僕は二度と呼ばれないだろう。当日は、迷うと嫌なので早めに行動し、撮影スタジオには1時間前に入ったのに……。問題はそこではなかったわけだ。

なんとも情けない話だが、思い返してみると僕にとってこのようなことは、日常茶飯事のような気もする。

僕は防衛医科大学校出身で、陸上自衛隊に所属していた。学生時代から、「訓練」の時に忘れ物をすることが多かった。訓練で忘れ物をする。これは「民間人」には想像がつかないほどシビアな問題だ。外科医が手術前に手洗いを忘れる、とまでは言わないが、研修医が救急当直で採血やレントゲンのオーダーをし忘れてしまうようなものである。ミスに気づいた時の冷や汗が半端ではないのは、想像に難くないだろう。

精神科医とYouTuberは天職

制限時間内で確実なパフォーマンスが求められることの多い医師稼業の中にあって、精神科医とは比較的気楽なものだ。素早い判断はそこまで求められず、失敗しても取り返しが利くことが多い。判断一つで人の命が失われてしまう、みたいなことはほとんどない。ちなみにYouTuberも然りで、動画も、もう一度撮影し直せばいいだけだ。

それを考えると、精神科医という職業がなければ、僕は医師を続けられなかったかもしれない。時々、ふと思う。今、この役目だから、僕は「許されている」だけなのだ。

YouTubeを含めて、メディアの世界も僕に合っていると思う。発達障害の傾向がある人が多数いて、居心地が良い。ただ、近頃は風向きが変わってきている。AIを使った動画の台頭、多種多様なメディアの乱立、業界全体を覆う予算不足……。本屋は減り、出版物は売れない。動画はひしめき合い、視聴者の可処分時間の奪い合いだ。

そういった状況を鑑みると、制作の現場ってシビアなのでは? お堅いテレビ局に限らず、白衣を忘れているようでは、次はないのではないか。あれ? 僕、許されていないかも……(汗)。

益田裕介プロフィール画像

益田裕介(ますだ・ゆうすけ)

1984年生まれ。岡山らへん出身。精神保健指定医、精神科専門医・指導医。防衛医科大学校卒業、陸上自衛隊勤務後、民間病院を経て、2018年4月より東京都内の早稲田大学横で個人開業医をしている。19年12月からYouTubeもやっている変な人。酒が好きすぎて、心身を壊しそうだったので20年6月から断酒中。そのことを自慢に思っている。週6~7勤務も疲れてきたので、勤務日を減らしたいけれど、貧乏性なので減らせない。こんなに頑張って働いているお父さんなのに、8歳になる娘からは「変態おじさん」なるあだ名を拝命しました。

月曜のマミンカプロフィール画像
イラスト

月曜のマミンカ

神奈川県川崎市在住のイラストレーター、絵本作家、グラフィックデザイナー。 2022年、絵本「カモンダメダメモンスター」を出版後、こどもと楽しめるワークショップを不定期で開催。 4匹の保護猫とヒーロー好きな息子、自由奔放な娘の子育てに奮闘中。

HP: https://mondaymom.official.ec/

Instagram: https://www.instagram.com/mondaymaminka/