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2025.08.29

研修医の皆さん、家は寝るために帰るところです!(『研修医のための人生ライフ向上塾!』)

紹介者は「あなた自身を大事にしながら医師人生を歩んでほしいという願いを込めて」と、この本をお薦めしてくれました。

著者:鈴木瞬 出版社:日経BP

内容

日本一ゆるい研修医のためのライフハック本、爆誕! ストレスマネジメントの専門家が、キャリアの疑問から医療職との人間関係、医師のバーンアウト問題までをぶった切る!

ストレスにさらされながらも、しなやかに適応する術、「健康生成論」実践を専門とする筆者が、初期研修生活のライフハックから医師人生におけるストレスへのマネジメントについて、ときに学術的、ときに超主観的につづります。日経メディカルOnlineの好評連載記事に、補講コラムや特別対談を加えて書籍化!(日経BOOKプラスのホームページから引用)

プロフィール画像

紹介者:つばさ

診療科:総合診療科

医学部卒業年:2017年

所属:大学病院

お薦めの理由

この本の前身である医師・医療従事者向けの総合医療情報サイト『日経メディカルOnline』で連載されている鈴木瞬医師のコラム『研修医のための人生ライフ向上塾!』に出会った時、私は医師3年目でした。当時の私は専門研修の激務に追われ、うつの入口に片足を突っ込んでいました。そんな時、あまりにゆるい文体にくすっと笑ってしまい、少しだけ心が楽になりました。その後、この連載に書き下ろしのコラムや対談記事が加筆された書籍が出版されたので購入し、今でもお守りとして本棚に置いています。

特に好きなのは、冒頭の「家は寝るために帰るところです!!!」の一文です。私は、泊まり込むレベルで病院に“張り付く”ことを美徳としていたのですが、その心強い一文に心を動かされました。そして、そのままの勢いで週末にイオンで安売りのベッドマットレスを購入しました。その結果、睡眠の質が(体感)1.5倍に上がりました(本の影響を受けやすい私の性格にも感謝です)。

その他にも、「研修初日にすべきたった1つのこと」「4月病・5月病の予防や乗り切り方」「看護師さんや上級医と喧嘩(けんか)しないために」「真面目ちゃんが燃え尽きる前に」「興味のないローテを乗り越える方法」「これからも燃え尽きず働いていくために」などなど、普通のビジネス書や医学書には載っていない、けど実際に現場で役立つ話が詰まっています。

「日本一ゆるい研修医のためのライフハック本」という触れ込みの通り、とてもゆるい文体で書かれています。引用文献には、人気漫画「HUNTER×HUNTER」(冨樫義博著、集英社)がよく出てきますし(笑)。でもだからこそ、病みそうな時にも軽く読め、すっと心に染みてくる一作です。

この本を、かつての自分はもちろん、全ての研修医にお薦めしたいといっても過言ではありません。ただ、研修に不安を感じていたり、研修がつらくてたまらなかったりするけれど、それでも一人前の医師になりたいと真面目に頑張っている人に、特に読んでほしいと思います。

言うまでもなく、初期研修はストレスフルです。学生から社会人への切り替えだけでも大変なのに、さらに医療者として命を預かる現場のプレッシャーは相当なものです。心身ともに消耗し、研修を続けられなくなる人もいれば、悲しいことに命を絶ってしまう人もいます。

日本救急医学会が2019年に発表した『「医師の働き方改革」に対するステートメント』の中に、「人を救うには、まず自分が健康でなければならない」という言葉があります。全くその通りで、心身を病んだ人は当然休むべきです。しかし、最初から病まないに越したことはありません。私は初期研修の最大の目標は「生き残ること」だと思っています。あなた自身を大事にしながら医師人生を歩んでほしいという願いを込めて、この本をお薦めします。

岩本あかりプロフィール画像
イラスト

岩本あかり

東京を中心に、イラストレーター・UIデザイナーとして活動。 シンプルな線に、軽快な色面。 どこにでもありそうな景色に、ひとつまみのユーモアを。 見た人がクスッと楽しくなる絵を描く。

HP: https://akariiwamoto.com

Instagram: https://www.instagram.com/akari.iwamoto