Naked 初期研修医 × 専攻医　クロストーク 外科＜消化器＞（上）

分かりますか？（笑）。一昨日、オンコールだったんですけど、夜間で3件も緊急のオペがあったんですよ。

絞扼性（こうやくせい）の腸閉塞と、内視鏡後の消化管穿孔（せんこう）と、腫瘍性の腸閉塞。一晩で3件です。一つ終わって「やっと終わりだ～」と思ったら次が来て「やっと終わった……」というところに、さらに1件です。

当直だったら翌日は休みなんですけど、オンコールの翌日は休みじゃないので、そのまま夜まで勤務して、もうヘロヘロで……。寝てないと頭が働かないので、とってもしんどかったです。

手術の合併症とか、そういうのは往々にしてあるので、管理が難しいですし、うまくいかないとやっぱりきついですよね。僕が消化器外科を選んだ理由は「ダイレクトに治療の結果が分かるから」ですが、必ずしも良くなってすぐに退院できるわけじゃありません。うまくいかず、術後が長引くこともあります。そんなときは、「あぁ……大変だな、つらいな」ってなりますね。

専攻医の間は基本的には胆嚢（たんのう）炎、虫垂炎、ヘルニアが主で、入門的な手術をやりますね。腫瘍はなかなかハードなので、基本的にベテランの先生が担当していて、僕らは助手です。

緊急で来て痛がっている患者さんでも、手術をすれば早くて2、3日で退院できるんです。「お腹痛いの治った！」と喜んでもらえたり、子どもの場合は親御さんに感謝されたり。それはやりがいですよね。後は、手術のスピードがちょっとずつ速くなるとか、数字に現れるので、成長を実感できます。そういう時に、選んで良かったと思いますね。

給料は診療科にかかわらず、ベースが額面で決まっているんですよ。具体的に知りたいですか？

多分、専攻医1年目だと手取りで50万円くらい。年次が上がるにしたがって、ちょっとずつ増えていきます。後は、緊急手当てでどう稼ぐかといった感じですね。緊急に入ればその時間に応じて、手当てがもらえます。

（食い気味に）いやもっと欲しいですよ。

だって、緊急手当てがある分多くもらってはいるんですけど、他の科とベースは一緒なので。もうちょっともらいたいなあというのはあります。

病院によってもちろん多少の差はあると思いますが、科によって額が違うというのは、少なくとも専攻医のうちはないと思いますよ。

正直僕は、丸一日休みというのは月1、2回あるかないかなんですよね。その時はちょっとジムに行ったり、海に行ったりしますけど、休みっていう休みがあんまり……。たまに同期で飲みに行くという感じですね。

病院では、僕ら外科の専攻医が一番最初に出勤していて、帰るのも遅いという状況です。内科の熱心な先生もけっこう遅くまで残っていますが、平均すると外科が遅いですね。日曜なのに専攻医が全員そろうこともあって「みんないるじゃん」とか言ってますけど（笑）。

週3回、朝7時半からカンファレンスがあるんですよ。その時は6時過ぎくらいに出てきて、患者のカルテ診ています。カンファレンスがなければ朝は8時半が定時なので、7時過ぎくらいに出勤します。終わりは本来夕方の5時半なんですけど、手術があって遅いときは夜の8時とか9時とかになることが多いですね。

いや、そんなこともなくて。オペがない場合や、患者さんが安定しているときは、5時半にも帰れます。大体は少し腹腔鏡の練習をしたり、復習したり、カンファレンスで術前・術後の発表をするための準備をしたりしますが。

手術して終わりじゃなくて、手術のビデオを見直して症例をまとめないといけないので、意外と時間がかかります。僕はまだ、慣れていないので。