皆さんはSNSを使っていますか? SNSは見ているだけでも楽しいし、気軽に情報発信ができて、交友関係を広げることもできます。X(旧Twitter)では医学情報を流している人がたくさんいますし、YouTubeでは医療手技の動画を見ることができるので、勉強にもなります。
私がTwitterを始めたのは今の職場に移ってきてからです。前の職場には多くの優秀な麻酔科医がいて切磋琢磨していたため、自然と情報交換ができていたのですが、麻酔科医が少ない今の職場ではそうもいきません。なので、医学情報の収集と発信の両方を目的としてTwitterを始めました。
それから、いろいろとあって、日本麻酔科学会公式Twitterの発足に私は携わることになります。
自分の個人アカウントはそこそこ上手に運営できていたので、公式アカウントの運営もきっとできるだろうと当初はやや楽観的でした。しかし、個人アカウントの運営と公式アカウントの運営は全くの別物! 軌道に乗せるまでは、けっこう苦労しました。
公式アカウントは組織の広報の一環として戦略的に運営されなければなりません。企業の公式アカウントの中には、気さくな雰囲気を出しているものがありますよね。まるで友達がやっているようで、気軽にできそうな気になりがちです。でも、あれは広報のプロたちが、あえてやっていることであり、おいそれと素人が真似できるものではありません。
とはいえ、SNSは無料で手軽に始められるためハードルが低い、というのもまた事実です。皆さんももしかしたら「先生、若くてSNSとか上手そうだし、医局の公式SNSを作ってよ」と言われることがあるかもしれません。そのときに注意しなくてはならないのは、SNSの更新を維持して成果を出すためには一定のリソースが必要だということです。
皆さんの本業に差し障りなく続けることはなかなか難しいでしょうから、SNS担当を引き受ける際はよく考えてからにしてください。ぶっちゃけ、研修医・専攻医の募集が目的のSNSは費用対効果が悪いのでおすすめはしません。
それでも、公式SNSをやりたい、やらなければならない、という事情がある方もきっといらっしゃるでしょう。公式アカウントの運営にあたって、大事な二つのことをお伝えします。
①SNSをやる目的を明確にする やった方がいい気がする」というフワッとした動機で始めて、他の組織の公式SNSの真似を何となくやったところで、良い成果は上がりません。
②誰に向けて発信するのか、ターゲットを定める あれもこれもとターゲットを広げると、手間もかかりますし、発信内容もブレます。戦略を練るためにも、誰に向けて優先的に発信するのか設定する必要があります。
ちなみに、日本麻酔科学会公式Xは若手学会員が集まった「U40ワーキンググループ」が運営しています。その主な対象は「学会員(特に若手)」で、目的は「学会のことを知ってもらう」ことです。
専門医になるために重要なことも発信しているため、麻酔科に興味のある方は、ぜひフォローしてくださいね。
川久保弥知(かわくぼ・みとも)
1987年、高知県生まれ。初期研修までは高知で「育つ」も、麻酔と集中治療の両方を学びたいと思い立ち、後期研修(専門研修)から広島市民病院で研さんを積む。現在は呉共済病院に勤務。Twitter(現X)で麻酔科についていろいろな投稿をしていたところ、日本麻酔科学会の偉い人に拾われ、学会公式アカウント開設に携わる。
最近の趣味は、子どもと一緒に始めた「ポケモンカードゲーム」。どうせやるなら本気で、と親子で大会にも参加している。
X:@MitomoKawa
月曜のマミンカ
神奈川県川崎市在住のイラストレーター、絵本作家、グラフィックデザイナー。 2022年、絵本「カモンダメダメモンスター」を出版後、こどもと楽しめるワークショップを不定期で開催。 4匹の保護猫とヒーロー好きな息子、自由奔放な娘の子育てに奮闘中。
HP: https://mondaymom.official.ec/
Instagram: https://www.instagram.com/mondaymaminka/