内容
「恋する心エコー―心機能は4つの線で理解できる―」は、心エコーの数値から患者の状態を『みる』『感じる』コツがわかる! 臨床にすぐ活かせる画期的な方法をお伝えする参考書シリーズです。
《メルクマール編》は、楽しいストーリーを軸に、心エコー検査におけるコツをわかりやすく解説する、ポップで新しいスタイルの参考書です。循環器内科のドクターだけでなく、他科のドクター、ナース、検査技師、クリニカル・エンジニア(CE)に必要とされる新機能の基本知識や心疾患の治療の考え方を身に付けることができます。(SCICUSのホームページから引用)
紹介者:たいぞー
診療科:麻酔科
医学部卒業年:2019年
所属:某こども病院
医師国家試験が動画に対応していないということもあり、医学生時代に超音波検査について本格的に勉強したことのある人は少ないと思います。しかし初期研修医となり、いざ現場に放り込まれると、超音波検査は極めて身近なものになり、特に心臓領域はその役割が大きいという事実を知ることになります。
心エコー(心臓超音波検査)は循環器内科のローテート以外にも、術前検査や救急外来でいやが応でも関わる検査です。でも、多数の意味不明な英語が敷き詰められた結果報告書に呆然とし、とりあえず駆出率と弁膜症の重症度だけを確認して、そっと検査報告書を閉じる――。そんなムーブをかましている、もしくは、かましていた研修医は多いのではないでしょうか。いざ勉強しようにも参考書は活字ばかり。慣れない仕事の疲れもあり、一向に理解が進むことなく時は過ぎ去っていく……。そんな悩みを私も研修医時代に抱えていました。
しかし、この本は心エコーの検査項目の意味に重点を置いて、そしてそれをなんと漫画で解説してくれています。心エコーの本は動画付きでそれがメインとなり、似たり寄ったりなものが多い中、この本は一線を画します。また、難しいイメージのあるPVループ(PV loop :Pressure-volume loop)にも触れてくれており、循環動態を考える上での必須の知識を分かりやすく解説してあります。循環器領域を学ぶ第一歩として、お薦めの一冊です。
岩本あかり
東京を中心に、イラストレーター・UIデザイナーとして活動。 シンプルな線に、軽快な色面。 どこにでもありそうな景色に、ひとつまみのユーモアを。 見た人がクスッと楽しくなる絵を描く。
HP: https://akariiwamoto.com
Instagram: https://www.instagram.com/akari.iwamoto