2023.11.16
コーヒーを飲むと便意をもよおす理由とは▽カフェオレが炎症を抑える?▽ 「コーヒーでシャキッ」は思い込み?▽重症高血圧の人は飲みすぎ注意!
世界各国の大手メディアや医療メディアなどが配信しているニュースの中から、皆さんにぜひ知ってほしいものをマイシュー(毎週)選んでお届けします。前回の「そうだ コーヒー、飲もう。 目の覚めるようなホットな研究4選」でコーヒーのすごい力を紹介しました。今回は続編として、「コーヒーにまつわる雑学と、ちょっと残念な話」についてのニュース4本を取り上げます。
まとめ:医療ニュース編集部
個人的にはあまり感じたことはないのですが、コーヒーを飲むとうんちをしたくなるそうです。最初に紹介するのは、そのメカニズムを考察したニュースです。ということは、コーヒーは便秘の解消にも効果があるのでしょうか。
CNN:Why does coffee make you poop? Experts explain

CNNが2022年4月4日に配信したのは、コーヒーを飲んでから数分後に便意をもよおす理由を分析した記事です。過去の研究は、カフェイン以外の成分が突然の便意をもたらす可能性を示唆していたといいます。また、コーヒーを飲んでから4分以内に腸の運動が活発になることから、コーヒーの成分が腸ではなく胃の内壁を介して神経系またはホルモンに作用していると考えられるそうです。コーヒーが腸運動の促進につながるホルモン「ガストリン」の分泌を促す可能性もあるとのことです。記事の中で専門家は、便秘気味の人が便秘を改善するためにコーヒーを飲むことは「不合理なことではない」と話しています。ただ、コーヒーに頼ることはせず、問題がある場合は医師に相談すべきだとの意見も述べています。
編集部のメンバーを含め、私の周りの人はほとんどがコーヒーをブラックで飲みます。でも、健康上のメリットを期待するのであれば、ミルクを加えた方がいいそうです。
Science Alert:A Splash of Milk in Coffee May Have Health Benefits We Didn’t Know About

Science Alertが2月5日、デンマークの研究チームによる研究成果を紹介しました。チームは、炎症時の状態にした免疫細胞のマクロファージを使って、コーヒーの効果を調べたそうです。その結果、コーヒーに含まれるポリフェノール(カフェ酸:CA、クロロゲン酸:CGA)だけをマクロファージに浴びせた時よりも、ポリフェノールと牛乳のタンパク質に含まれるアミノ酸(システイン:Cys)を組み合せたものを浴びせた時の方が、抗炎症効果が高まることが分かったといいます。
毎朝、コーヒーを飲んでいます。豆を挽き、むらし、ゆっくりと抽出し、入れたての1杯を楽しみます。寝ぼけていた頭も、コーヒーを飲み終わるころにはスッキリとしてくるので、カフェインの効果なのかと思っていたのですが……。
EurekAlert!:That essential morning coffee may be a placebo

朝コーヒーを飲むと覚醒するのは、カフェインの効果ではないそうです。EurekAlert!に6月28日、ポルトガルの研究チームによる報告が掲載されました。チームは、1日1杯以上コーヒーを飲む人を対象に機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を使って脳の活動を分析したそうです。その結果、コーヒーを飲んだ後の方が、カフェインを単独で摂取した後に比べて行動への準備がより整った状態になり、外部刺激にも敏感になることが分かったといいます。コーヒーの香りや味、心理的期待などが覚醒を引き起こす要因になる可能性があるとのことです。
コーヒーは万人の健康に良い効果をもたらすわけではないようです。最後に紹介するのは、コーヒーが死亡リスクを上げてしまう疾患患者の話です。
EurekAlert!:Drinking 2 or more cups of coffee daily may double risk of heart death in people with severe hypertension

EurekAlert!が2022年12月21日に掲載したのは、重症高血圧の人はコーヒーを飲みすぎない方がいいという、日本の研究チームによる報告です。チームは、40~79歳の男女1万8600人を19年近く追跡調査したそうです。その結果、血圧が160/100mmHg以上の重症高血圧患者について、1日2杯以上コーヒーを飲む人は全く飲まない人に比べて、心血管疾患で死亡するリスクが2倍高くなることが分かったそうです。コーヒー1杯では、リスクが上昇することはなかったといいます。これはカフェインの影響ではないらしいのです。チームはコーヒーと同様にカフェインを含む緑茶の摂取についても調べていますが、リスクには関連しなかったとのことです。
編集部は毎日、主に下記のメディアをチェックし、取り上げるニュースを選んでいます。
BBC/ CNN/ CBS News/ ABC News/ NBC News/ AP通信/ NPR/ USA TODAY/ ABC News(Australian Broadcasting Corporation)/ Health Europa/ Medical Xpress/ Science Alert/ Science Daily/ Medgadget/ INSIDER/ Asian Scientist Magazine/ Medical Brief/ Psy Post/ Psychology Today/ MIT Technology Review/ i/ The Conversation/ SciTechDaily/ Healthline/ EurekAlert!藤野基文:記者・編集者。2004年から全国紙の記者として勤務し、主に医療・科学分野を担当した。18年にマイナビに移ってからは、グループ会社エクスメディオ社が運営するオンライン臨床支援サービス『ヒポクラ×マイナビ』の編集長を務め、現在は『マイナビRESIDENT』や『マイナビDOCTOR』などの各種コンテンツを制作している。
金子省吾:記者・編集者。2017年から地方紙に勤務し、主に社会部の記者として事件・事故や司法、市政、スポーツ、気象、地域活性化の取り組みなどを取材した。20年にマイナビに移って医療の取材をはじめ、グループ会社が運営するオンライン臨床支援サービス『ヒポクラ×マイナビ』編集部で医療ニュース作成に携わった。現在は『マイナビRESIDENT』や『マイナビDOCTOR』などの各種コンテンツを制作している。
許田葉月:記者・編集者。2021年からウェブメディアに勤務し、文学や音楽などのトレンド、社会課題などを取材した。23年にマイナビに転職して医療の取材を開始。『マイナビRESIDENT』や『マイナビDOCTOR』で各種コンテンツの制作を担当している。
阿部あすか:翻訳家、ライター。東京外国語大学(英語専攻)を卒業後、大手法律事務所の米国人弁護士などの秘書、英会話学校の講師、専門紙の英語版編集者として勤務した。2019年から編集部の一員として医療ニュースの記事を執筆している。