■帯状疱疹の生ワクチン接種で心血管疾患リスクが低下(5月)
韓国の研究チームが5月、韓国内に住む50歳以上の中高年127万1922人のデータを分析した結果を医学誌European Heart Journalに発表しました。帯状疱疹の生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン)を接種した人は、そうでない人に比べて全心血管イベントリスクが23%、主要な心血管イベントのリスクが26%、心不全リスクが26%、冠動脈性心疾患リスクが22%、それぞれ低くなることが示されたそうです。
■帯状疱疹ワクチン接種で認知症の発症・死亡リスクが低下(12月)
米国などの研究チームが12月、科学誌Cellに論文を発表しました。認知症と診断されていた1万4350人を対象とした分析では、7049人(49.1%)が9年以内に死亡したのですが、帯状疱疹の生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン)を接種した人は死亡リスクが29.5%低いことが分かったといいます。また、認知障害のない28万2557人のデータを分析したところ、ワクチン接種者は、認知症の前兆である「軽度認知障害(MCI)」発症のリスクが低減し、発症自体が遅れる傾向があることが明らかになったとのことです。
■膝関節症のステロイド注射は慎重に 状態の悪化が早まる可能性(5月)
米国の研究チームが5月に医学誌Radiologyに発表した論文によると、変形性関節症による膝の痛みを緩和させるために広く用いられている「副腎皮質コルチコステロイド関節内注射(ステロイド注射)」は、かえって膝の状態を悪化させてしまう可能性があるそうです。変形性膝関節症患者を対象に、ヒアルロン酸または副腎皮質コルチコステロイドの関節内注射治療を1回受ける70人と、注射による治療を受けない140人を比較しました。その結果、コルチコステロイド注射を受けた人は、ヒアルロン酸注射を受けた人や注射を受けなかった人に比べて、2年間で膝関節の損傷が大きくなることが明らかになったとのことです。
■「タミフル(オセルタミビル)が異常行動を起こす」は誤解!服用で精神・神経症状のリスクが半減(8月)
米国の研究チームが8月に、5~17歳の子ども69万2295人のデータを分析した結果を医学誌JAMA Neurologyに発表しました。追跡調査中に、332件の精神症状と898件の神経症状が確認されました。分析の結果、タミフルの使用有無にかかわらず、インフルエンザの発症自体が神経・精神症状のリスク増加と関連していることが判明。また、タミフルで治療を受けた群と未治療群を比較したところ、治療を受けた群は重篤な精神・神経症状のリスクが約50%低下していたとのことです。
■薬の併用に注意! 解熱鎮痛剤が大腸菌の薬剤耐性を促進(8月)
オーストラリアの研究チームが、一般的に使われる9種類の非抗菌薬と広域抗菌薬「シプロフロキサシン」について、下痢や尿路感染症を引き起こす大腸菌に対する薬剤耐性への影響を調査。解熱鎮痛剤である「イブプロフェン」と「アセトアミノフェン」が、大腸菌の遺伝子変異を増加させ、抗菌薬への耐性を著しく高めることが判明したといいます。特にこの2剤を併用すると、変異率や薬剤耐性のレベルがさらに上昇することが確認されたとのこと。研究成果は8月、科学誌npj antimicrobials and resistanceに掲載されました。