■米トランプ大統領がWHO脱退を表明 今後の影響は?(1月)
米国のトランプ大統領は就任初日の1月20日、WHO(世界保健機関)からの脱退を指示する大統領令に署名しました。WHOにとって米国は、資金や人材の面で最大の支援国の一つでした。2023年は予算の18%が米国からの拠出だったそうです。こうした莫大な資金援助が絶たれることで、WHOが長年積み上げてきた公衆衛生を巡る数多くの世界的戦略が損なわれる可能性があります。
■米トランプ政権によるUSAIDの海外援助資金凍結で、世界の感染症対策に深刻な影響(2月)
米国のトランプ政権は、海外援助を管轄する米国際開発局(USAID)の閉鎖に向け、USAIDからの数百億ドルの資金援助を凍結するなどの措置を講じました。USAIDは年間約400億ドルの海外援助を行っていますが、トランプ大統領は「支出に関して全く説明がつかない」「(職員は)無能で腐敗している」として、ほぼ全ての援助を停止する方針を示しました。公衆衛生の専門家からは、感染症のまん延やワクチン開発の遅れなどにつながる可能性があるとの懸念の声が上がりました。
■ケネディ氏が米厚生長官に就任 ワクチン監視、慢性疾患重視、保健機関の職員を大量解雇…?(2月)
米国のトランプ大統領の指名したロバート・ケネディ・ジュニア氏が2月13日、厚生(保健福祉省:HHS)長官に就任しました。米メディアのインタビューで「ワクチンによる副反応をより注意深く監視する強力なプログラムを立ち上げる」と述べ、監督下に置く食品医薬品局(FDA)や疾病対策センター(CDC)、国立衛生研究所(NIH)の職員を大量解雇(
14日にCDCとNIHの職員を大量解雇)についても言及しました。ここから、米国の公衆衛生の混乱が加速します。
■人事も混迷を極める
FDAのワクチントップが辞任(3月)、
CDCワクチン諮問委を全員解任(6月)、
CDC所長を解任(8月)
米保健福祉省(HHS)は3月28日、2016年から食品医薬品局(FDA)でワクチン関連部門のトップを務めてきたピーター・マークス氏が辞任したと発表しました。米国の複数のメディアは、ケネディ厚生長官と意見の異なるマークス氏が、辞職か解雇かの選択を迫られ、職を追われたと報じました。
また、ケネディ長官は6月9日に米疾病対策センター(CDC)にワクチンの安全性や有効性に関する助言を行う独立した組織「予防接種実施諮問委員会(ACIP)」の委員17人を全員解任。ワクチンに懐疑的な立場をとる人物を含む8人を新たに指名しました。
さらに、米ホワイトハウスは8月27日、CDC所長のスーザン・モナレズ氏が退任したと発表しました。モナレズ氏は7月31日に就任したばかりでした。米国内の複数のメディアは、人事やワクチン政策などを巡ってケネディ長官と対立していたと報じました。
■米CDCがウェブサイト更新 ワクチンと自閉症の関連を示唆(11月)
米疾病対策センター(CDC)の「自閉症とワクチン」に関するウェブページが11月19日に更新されました。これまで強く否定していた両者の関係について、更新後は「その関連性は保健当局によって無視されてきた」と主張を大きく変更しています。ワクチン懐疑派として知られる米保健福祉省(HHS)のケネディ長官が以前から主張してきた考えを反映したものです。