職場で前かがみの姿勢や歩行の時間が長い妊婦は、流産のリスクが高まる可能性があるそうです。デンマークの研究チームが医学誌
Occupational & Environmental Medicineに発表しました。
研究チームは、デンマークの全国規模のデータベースを用いて、2004年1月~18年12月に働いていた女性47万5312人の計80万3829件の妊娠を分析しました。このうち10.1%(8万1307件)が、妊娠22週未満で妊娠が終了する「流産」でした。これは一般的に報告されている流産率の約15%より低い数字ですが、研究チームは、多くの早期流産が医療機関を受診せずに終わるため、データに含まれていない可能性があると説明しています。
研究では、活動量計の測定データと専門家による評価を組み合わせた「職業暴露モデル」を用いて、仕事中の立位時間(立っている時間)、歩行時間、30度以上の前かがみ姿勢の時間を推定しました。
その結果、前かがみの姿勢が1時間増えるごとに流産リスクが36%上昇していました。歩行時間と立位時間が1時間増えるごとに、流産リスクはそれぞれ18%、3%高くなっていました。一方で、追加解析では、作業時間の増加に伴ってリスクも一貫して上昇する「用量反応関係」が確認されたのは前かがみ姿勢のみでした。
ただし、研究チームは、この研究は観察研究であり、前かがみ姿勢や歩行が流産の直接的な原因だと証明したわけではないとしています。また、妊娠中の喫煙、重い物の持ち上げ作業、交代制勤務、化学物質への暴露など、一部のリスク要因は評価されていないといいます。
研究チームは、詳しい仕組みは不明としながらも、前かがみ姿勢や歩行などの身体活動が胎盤への血流やホルモン調節に影響を与える可能性があると指摘しています。その上で、妊婦向けの労働ガイドラインでは、妊娠初期の身体活動についても考慮する必要があるとしています。