屋外を自由に行動する飼い猫は、室内飼いの猫に比べて人獣共通感染症の病原体を保有するリスクが高いことが分かったそうです。カナダなどの研究チームが、学術誌
PLOS Pathogensに発表しました。
研究チームは、飼い猫や野良猫における人獣共通感染症の病原体保有率に関する先行研究の中から、88カ国の猫17万匹超を対象とした約604件の研究を抽出しました。このうち、約8万6300匹の猫を対象とした435件の研究には、詳しい飼育状況の情報が含まれていました。
これらのデータを分析したところ、飼い猫の62%が監視なしで屋外を行き来しており、一部の地域でその割合は90%を超えることが分かったそうです。また、猫が保有する124種の病原体が特定され、このうち97種が人獣共通感染症を引き起こすものでした。
さらに、屋外を歩き回る飼い猫は、室内飼いの猫に比べてトキソプラズマ・ゴンディや猫回虫などの人獣共通感染症病原体を持つ可能性が3~5倍高くなることが示されました。驚くべきことに、屋外を歩き回る飼い猫が少なくとも1種類の人獣共通感染症病原体を持つ確率は、野良猫と同程度だったといいます。
屋外を歩き回る飼い猫は、野良猫に比べて保有する病原体の種類は少なかったものの、野良猫に感染する病原体は屋外を歩き回る飼い猫にも感染する可能性があることも分かりました。
飼い猫が屋外を歩き回ると、病原体や毒素に汚染された環境を移動したり、捕食などを通して他の動物と接触したりする場合があります。今回の研究で、飼い主は猫の捕食の頻度を約80%見逃していることも明らかになりました。
また、げっ歯類や鳥類、コウモリなどの人獣共通感染症を媒介する動物に関連する捕食や、接触の多くが飼い主に確認されていない可能性があるといいます。
研究チームによると、飼い主ができる最も簡単な対策は、飼い猫を監視なしで屋外に放さないことだといいます。猫専用の屋外スペース「キャティオ」や囲いの設置、リードの使用、見守りの下での屋外活動の確保などが有効な選択肢になるとのことです。また、寄生虫感染の予防や治療、狂犬病などのワクチン接種を含む獣医師による定期的なケアも重要だとしています。