キラキラした光やギザギザした線が見えるなどの「オーラ(前兆)」を伴う片頭痛は、中高年の虚血性脳卒中リスクの上昇と関連しているようです。米国の研究チームが、脳卒中を発症していない45歳以上の1万人超を対象に追跡調査を行い、その結果を医学誌
Neurology Open Accessに発表しました。
オーラとは、主に頭痛が始まる直前または同時に起こる視覚の感覚障害のことで、代表的な例として、目の前に見えるキラキラした光やギザギザした線が外側に拡大し、元の場所は見えにくくなる「閃輝暗点(せんきあんてん)」が挙げられます。
これまでの研究では、オーラを伴う片頭痛が、若者の脳卒中リスク上昇に関連することが示されていました。しかし、中高年への影響はあまり知られていませんでした。そこで研究チームは、研究開始時点で脳卒中を発症していない45歳以上の中高年1万1381人(平均年齢72歳)を対象に、片頭痛と虚血性脳卒中の関連性を調べました。
参加者のうち片頭痛の診断を受けたことがあるのは1130人で、このうち491人がオーラを伴う片頭痛、639人がオーラを伴わない片頭痛でした。平均6年間の追跡期間中に脳卒中を発症した人の割合は、片頭痛を持たない人で3%、片頭痛を持つ人で4%でした。年齢、人種、収入、糖尿病や高血圧などの脳卒中リスク因子を調整した結果、片頭痛全体と脳卒中リスクの間に明確な関連性はみられませんでした。
その一方で、片頭痛を持たない人と比較した場合、「オーラあり」の人は脳卒中リスクが73%高くなることが分かりました。対して「オーラなし」の人ではリスク上昇は認められませんでした。なお、片頭痛がある人の脳卒中の発症率は、「オーラあり」で5%、「オーラなし」で3%でした。
また、片頭痛を持つ72歳未満の男性は、オーラの有無にかかわらず、脳卒中リスクが3.5倍以上になることも明らかになりました。女性や72歳以上の男性におけるリスク上昇は認められませんでした。
研究チームによると、これまでの若年層を対象とした研究で脳卒中の発症が女性に偏っていたことから、片頭痛を持つ72歳未満の中高年男性で脳卒中リスクが高くなるという結果は予想外だったそうです。今後さらに関連性が裏付けられた場合、「この年齢層の人々に対して的確な脳卒中予防カウンセリングを提供する必要があるかもしれない」としています。