犬や猫と触れ合うことは、飼い主の感情やストレスにどのような影響を及ぼすのでしょうか。オランダなどの研究チームが、気分は改善する一方で、ストレスそのものを和らげる効果は確認できなかったと、学術誌
Frontiers in Psychologyに発表しました。
研究チームは、犬または猫を飼う18歳以上の成人188人を対象に調査を実施しました。スマートフォンのアプリを通じて、その時の感情(ポジティブかネガティブか)、ストレスの程度、どこで何をしているか、ペットとどの程度触れ合っているかなどを尋ねるアンケートを、5日間連続で1日10回行いました。
アンケートは午前7時半から午後10時半の間にランダムなタイミングで配信しました。記憶のゆがみを最小限にするため、回答は通知から15分以内に入力するよう求めました。
こうして、ペットと飼い主の日常的な関わりを瞬間ごとに記録した7963件のリアルタイムデータが集まりました。
分析の結果、ペットとの関わりは全般的にポジティブな感情を高め、触れ合いの程度が高いほどその傾向が強く、ネガティブな感情は低くなることが分かりました。この傾向は犬と猫の間で大きな違いは見られませんでした。
一方で、ストレス時の影響を調べたところ、ペットと関わっても、ストレスによる気分の悪化(ネガティブな感情の増加)を抑える効果は確認されませんでした。
さらに猫の場合、ストレスを感じている場面での関わりが強いほど、ネガティブな感情がより増幅する傾向が示されました。犬で悪化は見られなかったものの、改善する効果も確認されませんでした。
研究チームは、ペットとの関わりは一時的な感情の向上には寄与するものの、ストレスの悪影響を打ち消す働きは見られないと結論づけています。