猫は人間にとって単にかわいがるだけの存在ではなく、ウイルス関連がんを研究する上での重要なパートナーになるかもしれません。香港などの研究チームが、猫のがんウイルスが、ヒト腫瘍学やウイルス関連がんに関する極めて重要な洞察をもたらす可能性があると科学誌
Nature Reviews Cancerに発表しました。
研究チームが注目したのは、B型肝炎ウイルス(HBV)感染による肝細胞がん(HCC)です。HBV関連のHCC発症率は、HBVに対するワクチンや抗ウイルス薬が存在するにもかかわらず上昇し続けているといいます。
これまで、ヒトの疾患の進行を正確に再現する動物モデルが存在しないことが、HBV関連の腫瘍形成に関する理解や的確な治療法の開発を妨げてきたといいます。マウスなどの一般的な実験動物はHBVの自然宿主ではなく、HCCの自然な経過を完全に模倣することはできないそうです。
そんな中、研究チームは猫に感染する「イエネコB型肝炎ウイルス(DCHBV)」が、猫HCCと強く関連しており、ヒトHBVの発がんパターンに酷似していることを発見しました。
飼い猫はウイルス感染や環境暴露のパターンも人間と類似しています。そのため、自然感染した飼い猫を研究することで、ウイルスがどのように腫瘍形成を促進するかについて、新たな視点を得られる可能性があります。