座ったままや横になったままでいる「座位行動」は、脳や体に悪影響を及ぼすとされています。しかし、座位行動であっても、編み物やパズルをするなど何かに没頭して脳を活性化させている場合は、その悪影響を弱めることができるようです。スウェーデンなどの研究チームが、医学誌
American Journal of Preventive Medicineに研究成果を発表しました。
研究チームは、35~64歳の2万811人を対象に、週当たりの身体活動量と「精神的に能動的」または「精神的に受動的」な座位行動に毎日どれだけの時間を費やしているかを評価するアンケートを1997年に実施。その後19年にわたる追跡調査を行いました。
精神的に能動的な座位行動には、事務作業、会議への出席、編み物、裁縫、パズルを解くためのコンピューターの使用などが含まれました。一方、座った状態でテレビを見たり音楽を聴いたりすることは、精神的に受動的な座位行動に分類されました。
分析の結果、受動的な座位行動が多い人は、将来的に何らかの認知症を発症するリスクが高くなる傾向が示されました。また、能動的な座位行動を1日1時間増やすと、認知症リスクが4%低下すると推計されました。
さらに、1日1時間の受動的な座位行動を能動的な座位行動に置き換えると、認知症リスクが7%下がる可能性があることが示されました。加えて、歩行などの身体活動と能動的な座位行動を組み合わせることで、認知症リスクが11%低くなることも分かりました。
研究チームによると、最初のアンケートが行われたのは約30年前だったため、今回の結果には、スマートフォンの使用や動画の視聴といった現代の典型的な受動的座位行動は含まれていない点に注意が必要とのことです。
ただし、別の研究では、ソーシャルメディアの使用は集中力低下と関連しており、注意や計画などに関わる脳領域に影響を与える可能性も指摘されているといいます。