セマグルチドやリラグルチドなどのGLP-1受容体作動薬を、女性が妊娠前後に糖尿病治療のために使用すると、早産のリスクが高まるかもしれません。デンマークの研究チームがその可能性を示す論文を医学誌
Human Reproduction Openに発表しました。
GLP-1薬はもともと2型糖尿病治療のために開発されましたが、近年では減量薬としての人気が高まっており、特に若い女性の間で使用が急増しています。なお、いずれの薬も、8週間以内に妊娠の可能性がある女性は使用してはいけないことが添付文書に記載されています。
これまで、女性が妊娠前後にGLP-1薬を使用した場合のリスクについては十分に検証されていませんでした。そこで研究チームは、2009年10月1日から23年12月31日の間にデンマーク国内で出産した女性48万231人による、75万6636件の単胎妊娠に関するデータを分析しました。
女性が最終月経日の前後8週間以内にセマグルチドまたはリラグルチドを処方されたケースを「GLP-1薬への不用意な暴露」と定義したところ、529件の妊娠がこれに当てはまりました。
分析の結果、年齢や体格、喫煙などの要因を調整すると、GLP-1薬を使用しなかった女性と比べて、早産リスクはセマグルチドで84%、リラグルチドで70%、それぞれ高くなることが明らかになりました。
ただし、減量のためにGLP-1薬を使用した場合には同様の関連はみられず、糖尿病治療のために薬を使用した女性においてのみ、早産リスクの上昇との関連が認められました。研究チームは、妊娠前後のGLP-1薬使用と早産リスク上昇の関連は、薬剤への暴露ではなく糖尿病そのものに起因する可能性があることを指摘しています。