肥満に伴う健康リスクは、男性と女性で大きく異なる可能性があることが分かったそうです。トルコの研究チームが、トルコのイスタンブールで2026年5月12日~15日に開催される
第33回欧州肥満学会(ECO 2026)で発表する予定です。
研究チームは、トルコの大学病院の肥満外来を受診した肥満の成人1134人を対象に、性別による心血管・代謝・炎症リスクの違いを調べました。内訳は、女性886人(平均年齢45歳)と男性248人(平均年齢41歳)です。
身長、体重、BMI(肥満度)に加え、血圧、脂質(総コレステロール、LDL<悪玉>コレステロール、中性脂肪)、血糖値、肝機能(ALT、GGT)、腎機能(クレアチニン)、炎症マーカー(CRP、赤血球沈降速度、血小板数)など、幅広い指標を分析しました。
その結果、肥満男性は肥満女性に比べて内臓脂肪が多く、収縮期血圧が高い傾向が見られました。さらに、肝細胞障害の指標であるALTやGGT、中性脂肪、クレアチニンの値も高く、心血管疾患や代謝異常に加え、脂肪肝など肝臓関連の合併症リスクが高い可能性が示されました。
一方、肥満女性は、総コレステロール値やLDLコレステロール値が男性より高く、赤血球沈降速度やC反応性タンパク(CRP)、血小板数といった炎症マーカーも高い値を示しました。これらは、心疾患や2型糖尿病の発症につながる可能性がある因子とされています。
研究チームは、同じ「肥満」であっても、男性では内臓脂肪や肝臓・代謝への負担が、女性では炎症や脂質異常がより前面に出ると指摘しています。こうした違いは、ホルモンの影響、脂肪のつき方、免疫反応などの生物学的要因によると考えられるそうです。
研究チームは、肥満診療では「男女共通の基準」だけではなく、性別に応じたリスク評価や管理戦略が重要になる可能性があるとしています。