少なくとも週に1回、自宅で一から料理をすることが、高齢者の認知症リスク低下につながる可能性があるようです。千葉大学と東京科学大学の研究チームが、全国の約30万人の高齢者を対象にした調査「日本老年学的評価研究(JAGES)」のデータを用いて検討した研究結果を、医学誌
Journal of Epidemiology & Community Healthに発表しました。
研究では、65歳以上の高齢者1万978人を対象に、認知機能の状態を約6年間にわたり追跡しました。参加者には、自炊の頻度(「全くしない」〜「週5回以上」)や、果物や野菜の皮むきができるかといった7項目の料理スキルについてアンケートを行っています。
その結果、参加者の約半数が週5回以上自炊していた一方で、4分の1以上は全く自炊をしていませんでした。追跡期間中に1195人が認知症を発症し、870人が死亡、157人は認知症発症前に転居していました。
解析の結果、自炊の頻度が高い人ほど、男女ともに認知症リスクが低いことが確認されました。週1回以上自炊する人は、週1回未満の人と比べて、認知症リスクが男性で23%、女性で27%、それぞれ低下していました。
また、料理スキルが低い人でも週1回以上自炊することで、認知症リスクが約67%低下していました。一方、料理スキルが高い人は、調理頻度をさらに増やしても、認知症リスクの追加的な低下は今回の研究では認められませんでした。
これらの関連は、生活習慣や世帯収入、学歴などの影響を考慮した後も維持されたといいます。研究チームは、「高齢になっても自炊できる環境づくりが、認知症予防の重要な鍵になる可能性がある」と結論づけています。