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2026.04.08

「閉経」したマウスのふん便移植で若いマウスの卵巣機能が改善!?

腸内細菌叢(腸内フローラ)と卵巣機能の間に直接的な関連があるかもしれません。米国の研究チームが、加齢マウスのふん便の移植が若いマウスの繁殖能力の改善につながる可能性があるとの研究成果を、医学誌Nature Agingに発表しました。

  • 腸内細菌叢(腸内フローラ)と卵巣機能の間に直接的な関連があるかもしれません。米国の研究チームが、加齢マウスのふん便の移植が若いマウスの繁殖能力の改善につながる可能性があるとの研究成果を、医学誌Nature Agingに発表しました。

    研究チームは、若いメスの成体マウスに抗菌薬を投与し、既存の腸内細菌を除去しました。このマウスに対し、ヒトの閉経に当たる状態を迎えた加齢マウスから採取したふん便を移植しました。すると、卵巣細胞内のトランスクリプトーム(DNAから転写されたメッセンジャーRNAの総体)が、より若いマウスに近づく兆候を示しました。

    また、卵巣において、組織の老化に関連する炎症マーカーが大幅に減少しました。こうした若返りは、卵巣組織の健康だけでなく、妊娠の成功率にも反映されました。

    オスのマウスと同居させたところ、若いメスのマウスのふん便を移植したマウスの中には出産しない個体もいたのに対し、加齢マウスのふん便を移植したマウスは全ての個体が出産したといいます。

    加齢マウスの腸内細菌叢が卵巣機能に改善をもたらす要因の一つとして、研究チームは、腸内細菌群「エストロボローム」の関与が考えられるとしています。エストロボロームはエストロゲン(女性ホルモン)の代謝に関与し、生殖器系からのシグナル伝達と協調してホルモンバランスを維持する役割があります。

    しかし、加齢とともに、エストロボローム由来のシグナルに反応する卵巣の能力が弱まります。そのため、エストロボロームはシグナル分子の発現を高めることで卵巣の機能低下の埋め合わせをする可能性があるそうです。

    そういった理由から、シグナル分子の発現が高まった加齢マウスの腸内細菌叢を、シグナルに対して敏感に反応する卵巣を持つ若いマウスに移植することで、繁殖能力の改善につながる可能性が考えられるといいます。

    研究チームは、「腸内細菌叢の移植によって、生殖能力の維持だけでなく、骨粗しょう症や認知症など、卵巣の老化に伴う女性のさまざまな健康問題を改善する効果が期待される」としています。