2型糖尿病や肥満症の治療に用いられる「GLP-1受容体作動薬」が、アルコールやたばこ、薬物に依存する物質使用障害(SUD)のリスクを低下と関連する可能性が示されたそうです。米国の研究チームが、2型糖尿病を持つ米国退役軍人60万6434人を対象に、最大3年間にわたり実施した二つの大規模調査の結果を医学誌
BMJに発表しました。
SUDの既往歴のない退役軍人を対象とした調査では、GLP-1薬を開始する患者12万4001人と、SGLT2(ナトリウム-グルコース共輸送体2)阻害薬を開始する患者40万816人を比較しました。
その結果、GLP-1薬の開始がSUD発症リスクを14%低下と関連し、3年間で1000人あたり約1〜6件の症例減少と関連していました。物質別では、アルコール18%▽大麻14%▽コカイン20%▽ニコチン20%▽オピオイド25%――のリスク低下と関連していました。
次に研究チームは、SUD既往歴のある退役軍人を対象に別の調査を実施。GLP-1薬を開始する患者1万6768人とSGLT2阻害薬を開始する6万4849人を比較したところ、GLP-1薬の開始は▽SUD関連の救急外来受診31%▽SUD関連の入院26%▽SUD関連の死亡50%▽薬物の過剰摂取39%▽希死念慮や自殺未遂25%――の低下と関連していました。
GLP-1薬は脳の報酬系に作用する可能性が指摘されており、研究チームは「GLP-1薬がさまざまなSUDの予防や治療において潜在的な役割を担う可能性があり、さらなる評価が必要」としています。