読むことを学ぶと、話し言葉を聞き取って処理する脳の働きが向上する可能性があることが分かったそうです。ブラジルとカナダの研究チームが、科学誌
Cortexに論文を発表しました。
研究では、人生の後半になって読みを学び始めた高齢者15人と、幼少期から読み書きを習得していた高齢者21人を比較しました。参加者は、母語であるポルトガル語と、ほとんどなじみのない日本語で語られる物語を聞き、「『水』に相当する語」が聞こえた際にボタンを押す課題に取り組みました。実験中は MRI(磁気共鳴画像法)を用いて脳活動を測定しました。
その結果、ポルトガル語の聞き取りでは両グループとも良好な成績でしたが、日本語の課題では成績や脳活動に明確な違いが見られました。幼少期から読み書きを身につけていた参加者は、脳の右側にある「右下前頭回」と呼ばれる領域の活動が高まっていました。
言語処理は一般に左半球が中心的な役割を担いますが、課題が難しくなると右下前頭回が追加的に活動すると考えられています。研究チームは「読むことを学ぶことで右脳の関与が増え、話し言葉を構成する音を細かく処理する能力が高まる可能性が示された」としています。