米国の研究チームが、呼気から病気に関連する腸内細菌を迅速に検出できる新たな検査法を開発したと、その成果を医学誌
Cell Metabolismに発表しました。
腸内細菌叢(腸内フローラ)の乱れは、肥満、ぜんそく、がんなど多くの疾患と関係することが知られています。しかし、腸内環境の異常を迅速かつ非侵襲的に評価できる検査法は存在していません。
研究チームは、腸内細菌が消化の過程で産生し、呼気として排出される「揮発性有機化合物(VOC)」に注目しました。6~12歳の健康な子ども27人から採取した呼気と便を分析したところ、呼気中のVOCが便中の腸内細菌が産生する化合物と一致することが分かりました。これは呼気が腸内細菌叢を反映していることを示す結果です。
次に、無菌マウスに腸内細菌を移植して呼気を分析したところ、呼気成分から腸内細菌を特定できることが確認されました。
さらに、ぜんそくの子どもを対象とした追加分析では、呼気と便の結果から、小児ぜんそくが腸内細菌「Eubacterium siraeum(ユーバクテリウム・シラエウム)」の増加と関連していることが分かりました。呼気の分析だけで、この細菌の存在量を予測できたといいます。
従来、腸内細菌の解析は時間がかかり、迅速な臨床応用が困難でした。研究チームは、「呼気分析はこの課題を克服し、疾患診断の新たな手がかりとなる可能性がある」としています。