WHO(世界保健機関)は1月30日、インド東部の西ベンガル州で致死率の高い「ニパウイルス」の感染者が2人確認されたと発表しました。国外への感染拡大は確認されておらず、世界レベルでの公衆衛生リスクは今のところ低いとしています。
WHOによると、感染者が見つかったのは2025年12月下旬です。患者は同じ病院で働く20~30歳の男女の看護師です。2人とも入院中で、男性患者は改善が見られますが、女性患者は集中治療室に入ったままだといいます。
インドの保健当局が、2人と接触した196人を特定し、ウイルス検査を実施したところ、結果は全員陰性だったとのことです。
ニパウイルスは、感染したオオコウモリやブタなどとの直接的な接触に加え、感染動物の唾液や尿などで汚染された果物などを介してヒトに感染する可能性があります。潜伏期間は通常3~14日程度で、初期症状は発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐、のどの痛みなどが出ます。その後、意識障害や肺炎などが起こることがあり、重症化すると脳炎を発症することもあります。致死率は40~75%と推定されています。
ヒトからヒトへの感染はまれですが、患者との長時間の接触で感染する可能性があるそうです。確立された治療法はなく、ワクチンも試験段階です。
ロイター通信や
米NBC Newsなどによると、インドでの感染者発生を受けて各国は対応に追われているようです。
シンガポールと香港は、感染発生地域から到着する航空便の乗客に対し、空港で検温を実施します。タイとマレーシアは、感染発生地域からの乗客に対し、入国審査前に健康申告を完了するよう求めています。さらに中国やネパールも、感染拡大に警戒を強めているといいます。