米疾病対策センター(CDC)は、米国のテキサス州と国境を接するメキシコのタマウリパス州で、肉食性の寄生虫「ニュー・ワールド・スクリューワーム(NWS:新世界ラセンウジバエ)」の動物感染が発生したことを受け、健康に関する勧告を発出しました。現在、中米やメキシコでNWSの感染が流行しており、ヒトの症例は1月20日時点で1190人、死亡者は7人が報告されています。
NWSは、牛、馬、豚などの家畜だけでなく、ヒトの傷口や粘膜にも卵を産み付けます。卵からかえった幼虫は生きた動物の肉を食べながら、組織の奥深くまで潜り込みます。治療しない場合、死に至る可能性があります。
メキシコでは現在、601件の動物感染が確認されており、このうち8件がタマウリパス州で発生しています。
米国内では、今回の流行に関連する動物やヒトの感染は確認されていません。しかし、かつてはNWSは家畜の深刻な害虫でした。米農務省が不妊化したオスを放つという根絶プログラムを実施した結果、米国やメキシコ、中米にかけてNWSを根絶することに成功しています。
ところが2023年に中米でNWSが再発生し、24年11月までにメキシコに到達したと報告されています。
CDCは、米国内の一般市民のリスクは現状では低いとしつつ、地理的な拡大の可能性を踏まえ、症例の発見や報告、診断・治療、予防策など体制確立を目的に、医療機関や一般市民に向けて今回の勧告を公表したとしています。