トランプ米大統領は2025年9月、解熱鎮痛剤「アセトアミノフェン」を妊婦が使用すると、生まれた赤ちゃんの自閉症リスクが高まる可能性があるとの主張を記者会見で発表しました。しかし、イタリア、英国、スウェーデンの研究チームによる徹底した調査で、このような関連性は認められないことが明らかになったそうです。研究成果は医学誌
The Lancet Obstetrics, Gynaecology & Women's Healthに掲載されました。
研究チームは4147件の既存研究の中から、信頼性の高い43件の研究を選び出しました。採用の基準には、アセトアミノフェン使用の有無を比較していること▽妊婦の既往・服薬歴が開示されていること▽服薬や自閉症に関するデータについて医療記録や医療関係者によるアンケートを用いていること――などが含まれています。また、きょうだい間でアセトアミノフェンの暴露の有無を比較できる2件の研究についても詳細に検証しました。
分析の結果、妊婦のアセトアミノフェン使用と生まれた子どもの注意欠如・多動症(ADHD)や自閉症、知的障害のリスクの上昇との関連性は認められませんでした。
研究チームは、トランプ大統領の発言以降、アセトアミノフェンの使用を怖がる妊婦が増えていると指摘します。しかし、発熱を放置すると母子の健康リスクが高まるため、「妊婦が発熱や痛みを感じた場合には、引き続きアセトアミノフェンが第一選択薬として推奨されるべきだ」と強調しています。