米国がん協会(ACS)は最新の
年次報告書で、2015〜21年にがんと診断された患者の5年生存率が70%に達したと発表しました。1970年代の約50%、1990年代半ばの63%から大幅に改善しています。ここ10年間で免疫療法をはじめとする画期的な治療法が登場し、多くのがんが「不治の病」から「慢性疾患」へと変化しつつあるとしています。
報告書によると、1991〜2023年の間に約480万件のがん死亡が回避されたと推計されます。これは治療の進歩だけでなく、早期発見や喫煙率低下の寄与が大きいと考えられています。
血液がんである多発性骨髄腫の5年生存率は、1990年代半ばの32%から62%へと劇的に向上しました。また、分子標的治療や免疫療法などの進歩によって、がん死亡の主要因である肺がんの生存率も改善しています。
肺やその周辺にがんが広がっている「局所進行肺がん」の5年生存率は、1990年代半ばの20%から現在は37%に上昇しています。
一方で、50歳未満の大腸がんの発症率が上昇し、女性の乳がんも増加していると報告されています。
2026年には、新規がん症例が約211万4850件、がん死亡が約62万6140件に達すると予測されています。
また、報告書を紹介した米NBC Newsなどの報道では、長年の科学研究への投資が患者の寿命延長に結びついている一方で、研究費削減、医療保険へのアクセス問題、人種間の格差、さらにコロナ禍による検査数減少が将来のがん対策に影響を及ぼす可能性が指摘されています。