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2026.01.13

虫歯予防の新戦略? カギは口腔内細菌のコミュニケーションの操作

口腔内の細菌は化学信号を使って互いの密度を感知し、増殖・定着する細菌を調整しているそうです。この“コミュニケーション”を操作すると、病原性の高い細菌を抑え、有益な細菌の増殖を促進できるとのこと。

  • 口の中の細菌同士はコミュニケーションを取って、生存や増殖を調整しているそうです。米国の研究チームが、このコミュニケーションを操作することで健康に有益な細菌を増やし、虫歯や歯周病のリスクを減らせる可能性があることを明らかにしたと、科学誌npj Biofilms and Microbiomesに研究成果を発表しました。

    口腔内の細菌は化学信号を使って互いの密度を感知し、遺伝子発現を変化させる現象(クオラムセンシング)を起こすことが知られています。こうした信号によるコミュニケーションが、増殖・定着する細菌の決定に影響を及ぼします。

    研究チームは、虫歯や歯周病の原因となる歯垢(プラーク)を形成する細菌群を培養し、クオラムセンシングを遮断する方法を検討しました。

    その結果、口腔内細菌の一部がクオラムセンシングに使用する分子「N-アシルホモセリンラクトン(AHL)」を特定の酵素で阻害すると、クオラムセンシングを遮断できることが明らかになりました。これにより、病原性の高い細菌の増殖を抑え、健康に有益な細菌の増殖を促進できることも確認されました。

    さらに、酸素条件で効果が変わることも分かりました。歯や歯茎の表面などの好気(酸素あり)環境ではAHLが産生され、AHL阻害の効果が顕著でした。一方、歯垢内部や歯周ポケットのような嫌気(酸素が少ない)環境では、細菌自身はAHLを産生しないものの、外部から届いたAHL信号を感知してコミュニケーションできることが示されました。

    研究チームは「細菌を一律に排除するのではなく、健康的なバランスへと導くことが重要だ」とし、このアプローチが新しい治療法につながる可能性を指摘しています。