死産の早期検出と予防への道を開く二つの研究結果が発表されました。
一つ目の研究は、オーストラリアの研究チームが医学誌
American Journal of Obstetrics & Gynecologyに発表した研究結果です。研究では、健康な妊娠を経て出産した女性60人と、原因不明の死産を経験した女性4人から採取した胎盤を分析しました。その結果、死産例の胎盤では、通常は加齢した組織に見られる「環状RNA」と呼ばれる分子が、妊娠の比較的早い段階から蓄積していることが分かりました。
環状RNAはDNAに結合し、損傷を引き起こして細胞の老化を促進します。この早期老化によって、胎児への栄養や酸素の供給が不十分になることで、死産につながる可能性が示されました。さらに、妊娠15〜16週の時点で、母体の血液から環状RNAを検出できることも確認されました。簡単な血液検査で、死産リスクを早期に把握できる可能性を示す重要な発見です。
二つ目の研究は、オーストラリアと米国のチームによるもので、医学誌
HGG Advancesに掲載されました。この研究では、三つの家系に属する死産例7件の胎盤を対象に、家系ベースのゲノム解析を実施しました。その結果、胎児の発育や胎盤機能、妊娠喪失、不妊に関連する複数の遺伝子領域が共通して存在することが明らかになりました。これらの領域に、遺伝性の死産リスクが隠れている可能性があります。
二つの研究から、胎盤の分子レベルでの早期老化と、遺伝的素因という二重のリスクが明らかになりました。これらを組み合わせることで、妊娠初期から死産リスクを予測し、予防につなげるスクリーニングツールの開発が期待されます。