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2025.12.25

ワクチンが先 vs 感染が先 新型コロナに対する保護効果が高いのはどっち?

新型コロナ感染とワクチン接種の両方から獲得した「ハイブリッド免疫」は、単独免疫よりも強い保護効果を発揮するといいます。ただ、どちらが「先か」で効果の強さが変わるそうで……。

  • 新型コロナウイルスに対する免疫は、感染とワクチン接種の順序によって違いがあるのでしょうか。スペインの研究チームがその謎を解明したとして、科学誌Nature Communicationsに論文を発表しました。

    新型コロナウイルスに対しては現在、ほとんどの人が感染とワクチン接種の両方から獲得した「ハイブリッド免疫」を保持しています。ハイブリッド免疫は、感染またはワクチン接種の単独免疫よりも強い保護効果を発揮することが知られています。しかし、暴露の順序が免疫にどのように影響するかは未解明でした。

    スペインの研究チームは、2020~23年にかけて357人の医療従事者から繰り返し採取した血液検体を分析しました。このうち160人は「感染前にワクチン接種」を受け、197人は「先に感染を経験」してからワクチン接種を受けていました。先に感染を経験したグループのうち98%が、ほぼ初期の武漢株に感染していたと報告されています。

    分析の結果、ワクチン接種が最初の暴露となった人は、先に感染を経験したグループと比較して、主にオミクロン株のスパイクタンパク質の受容体結合部位(ヒト細胞に感染する際に結合する部分)に対するIgGおよびIgA抗体レベルが高いことが明らかになりました。

    一方で、感染が最初の人は、免疫系で最も重要ともいわれるT細胞応答がやや強い傾向も示しました。ただし、T細胞応答の解析対象者は限られていたため、慎重な解釈が必要としています。

    抗体レベルの違いは臨床的な保護効果にも反映されることが分かりました。先に感染したグループはパンデミック初期(ウイルスが初期株に近い時期)に強い防御効果を持っていました。しかし、オミクロン株の出現後には、ワクチン接種が先だったグループの方がより強く守られていたと報告されています。

    研究チームは、「初回曝露がワクチンであることが、ハイブリッド免疫の長期的な保護効果を強化する」と結論づけています。