脳の健康に欠かせない栄養素「コリン」の不足と肥満の組み合わせが、アルツハイマー病(AD)などの神経変性疾患の要因になる可能性があるようです。米国の研究チームが医学誌
Aging and Diseaseに研究成果を発表しました。
研究チームは、平均年齢33.6歳の肥満患者15人と健康な対照群15人を対象に、体内の主要な化学物質とバイオマーカーを調査しました。その結果、肥満患者は、対照群に比べて血中のコリンレベルが低く、炎症関連のバイオマーカーや神経細胞(ニューロン)の損傷で血液中に漏れ出すタンパク質「ニューロフィラメント軽鎖(NfL)」の増加が認められました。
血中NfLの上昇は、ADなど神経変性疾患の重要な指標として知られています。
さらに、肥満患者においてはコリン低下とNfL上昇に強い相関があることも判明しました。ADや軽度認知障害(MCI)患者から死後に採取した血液検体でも、同様のパターンが確認されました。
研究チームは「若年成人における代謝の管理とコリンの十分な摂取が脳の健康維持に重要」と指摘しています。
コリンは細胞膜の構成や神経伝達物質「アセチルコリン」の生成に不可欠です。卵黄、魚、鶏肉、豆類、カリフラワーなどのアブラナ科の野菜に多く含まれています。肝臓で少量合成されますが、食事からの摂取が必要です。