オーストラリアの研究チームが、大気汚染物質である微小粒子状物質「PM2.5」による肺への悪影響をビタミンCが軽減する可能性があることを発見したと、学術誌
Environment Internationalに発表しました。
PM2.5は交通由来の排気ガスや森林火災、砂嵐などで発生する微粒子です。ぜんそくや肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺線維症、肺がんなどのリスクを高める可能性があり、世界的に大きな問題となっています。
研究チームはマウスを用いて、強い抗酸化作用があることで知られるビタミンCの補給にPM2.5に対する保護効果があることを明らかにしました。
マウスの飲み水にビタミンCを入れる群と入れない群に分け、毎日低レベルのPM2.5に暴露させる実験を3週間にわたって実施。その結果、ビタミンCを摂取したマウスでは、PM2.5による酸化ストレスや炎症が効果的に抑制されることが分かりました。
さらに、ビタミンCの摂取によって、細胞内の有害物質が減少し、細胞のエネルギー生産装置であるミトコンドリアがPM2.5によるダメージを受ける可能性が低くなることも示されました。
研究チームは「PM2.5の日常的な暴露は、たとえ低レベルであっても肺疾患につながる炎症や酸化ストレスなどを引き起こす。世界中の数億人に影響する問題に対し、低コストの予防的治療法の可能性を示す成果だ」としています。
ただし、ヒトへの効果は未検証であり、過剰摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。