糖尿病や肥満症の治療薬である「GLP-1受容体作動薬」は、肥満関連がんの発症を抑制するという仮説があり、注目を集めていました。しかし、その効果はほとんどない可能性が高いことが分かったようです。米国などの研究チームが医学誌
Annals of Internal Medicineに研究成果を発表しました。
研究チームは、2型糖尿病や肥満、太り過ぎの患者9万4245人を対象とした48件の試験(ランダム化比較試験)のデータを分析しました。対象者の約5万1千人がGLP-1薬、約4万1千人がプラセボをそれぞれ使用し、追跡期間の中央値は70週間でした。
分析の結果、13種類の肥満関連がんのうち、乳がん、腎臓がん、甲状腺がん、膵臓(すいぞう)がんの4種類について、GLP-1薬が発症リスクに「ほぼ影響しない」ことが分かりました。
肝臓がん、胆のうがん、大腸がん、卵巣がん、子宮内膜がん、食道がん、髄膜腫(脳腫瘍の一種)、多発性骨髄腫(血液がん)の8種類の肥満関連がんについても「低い確実性」で影響は小さいとされ、胃がんに関しては「非常に不確実」とされています。
ただし研究チームは、「対象となった試験はいずれもがん転帰の評価を目的としておらず、追跡期間が1年半未満と短いことから、がんに特化した長期間の研究が必要」としています。