WHO(世界保健機関)は11月28日、麻疹(はしか)に関する新たな
報告書を発表しました。ワクチンの接種率低下で感染者が世界的に急増しており、世界からはしかを排除するという目標達成は依然として遠い道のりだとしています。
報告書によると、世界的なワクチン接種の取り組みによって、2000年から24年の間にはしかによる死者数は88%減少し、約5900万人の命が救われました。しかし、24年にはまだ9万5千人が死亡したと推計されており、そのほとんどが5歳未満の子どもです。
死亡者数は減少したものの、感染者数は増加傾向にあります。24年には推定1100万件の感染者が報告され、新型コロナウイルス流行前の19年より約80万人増加しました。
はしかの流行を予防するためには、ワクチンの2回の接種率が95%を超える必要があります。しかし、24年の接種率は1回目が84%、2回目は76%でした。24年には計59カ国ではしかの流行が報告されています。
近年、一度排除された高所得国における再流行が報告されており、その理由はワクチン接種率が基準の95%を下回っていることにあるといいます。25年には米国やカナダでも流行が確認され、カナダは25年11月、「排除国」の地位を取り消されました。
WHOが予防接種に関する世界的ビジョンを示した「予防接種アジェンダ2030(IA2023)」には、世界からのはしか排除という目標が掲げられています。しかし、排除国と認定されたのは、24年末時点で81カ国(42%)にとどまります。25年11月時点で96カ国に増加したものの、目標達成の見込みは立っていません。
WHOは、はしかの排除を達成するためには、すべての子どもへの2回のワクチン接種、流行の迅速な検知のための監視システムの構築、強い政治的関与、継続的な投資が必要だと強調しています。