妊娠中の解熱鎮痛薬「アセトアミノフェン」の使用は、生まれた子どもの自閉症や注意欠如多動症(ADHD)のリスク上昇に関係するのか――。トランプ米大統領が今年9月に記者会見で発表したことで関心が高まっているこの問題について、英国などの研究チームが、両者の関係性についての確固たる証拠は見つからなかったとする論文を、医学誌
BMJに発表しました。
研究チームは、アセトアミノフェンと神経発達症の関係を調査した40件の研究結果に関する九つのシステマティックレビュー(系統的レビュー)を分析し、その信頼性を評価しました。
すべてのレビューが、「関連の可能性あり」と報告していました。しかし、このうち7件は、因果関係の判断を惑わせる要因(交絡)が生じる潜在的なリスクがあるとして、結果の解釈に注意を促していることが分かりました。
また、研究チームは、レビューの信頼度について、2件を「低い」、7件を「極めて低い」と評価しています。40件の研究結果のうち、兄弟間の遺伝的・環境的影響を適切に調整し、親のメンタルヘルス、ライフスタイルなどの重要な要因が考慮されていたのは2件。そして、その結果を含んでいたレビューは1件のみだったといいます。
こうした要因がきちんと管理された研究では、出生前のアセトアミノフェン暴露と自閉症またはADHDのリスクとの関連性は、調整が行われた後にほとんど消失するか、有意に減少することが判明しました。
研究チームは、過去に観察された神経発達症リスクの多くが、アセトアミノフェンではなく、家族関連の要因によって説明できると指摘。「必要な場合は現在の医療指針に従って使用すべき」としています。