安楽死の一つである「医療介助死(MAiD:Medical Assistance in Dying)」後の臓器提供に関する報告です。カナダの研究チームが、医学誌
Journal of Hepatologyに論文を発表しました。
MAiDは、適切なカウンセリングと本人の同意を経て、医師チームが病院内で所定の薬剤を静脈内に直接投与し、患者の死を意図的に早める行為を指します。2025年時点で、MAiD後の臓器提供が合法化されている国は、オーストラリア、ベルギー、カナダ、スペイン、オランダの5カ国のみです。
研究チームは、カナダでMAiDが合法化された2016~23年に、心停止後のドナーから提供された肝臓を用いた移植313件(標準的な心停止後提供による肝移植257件、MAiD後の提供による肝移植56件)の転帰を分析しました。
その結果、MAiDドナーの肝臓を移植された患者の1年、3年、5年後の生存率はそれぞれ89.3%、85.7%、85.7%で、移植片生着率はそれぞれ82.1%、78.6%、78.6%で、標準的な肝移植を受けた患者と同等の成績を示しました。
また、MAiD後の肝臓提供は、カナダにおける心停止ドナーからの肝臓移植の件数を21.8%増加させており、7年間で毎年約8件の肝臓移植が追加で可能になったことに相当するといいます。