妊娠中の新型コロナウイルス感染は、胎児の脳の発達に悪影響を及ぼすようです。米マサチューセッツ総合病院の研究チームが、感染した母親から生まれた子どもが神経発達症と診断される可能性が高いことを明らかにしたと、医学誌
Obstetrics & Gynecologyに論文を発表しました。
研究チームは、2020年3月1日~21年5月31日に生まれた子ども1万8124人のデータを分析しました。その結果、妊娠中に新型コロナウイルスが感染した母親861人(全体の4.8%)から生まれた子どものうち、生後36カ月までに神経発達症(発達障害)と診断されたのは140人(16.3%)でした。一方、感染していない母親1万7263人から生まれた子どもは、神経発達症と診断されたのは1680人(9.7%)でした。
他のリスク因子を調整した解析で、新型コロナ感染が神経発達症のリスクを1.29倍高めることが示されました。特に、母親が妊娠25週以降に感染した場合や、生まれた子どもが男児だった場合に、リスクの上昇が顕著でした。これは、胎児期の脳の発達が妊娠後期に加速することや、男児の脳が母体の免疫反応により影響を受けやすい可能性があるためと考えられています。
神経発達症の中で最も多かったのは、言語や運動機能の発達障害と自閉症でした。自閉症の診断率は、感染者の子どもが2.7%、非感染者の子どもは1.1%約2.5倍の差が見られました。
研究チームは、今回の調査対象が新型コロナワクチンが普及する前の出産例だったことから、ワクチンの影響を受けずに感染と発達障害の関連を検証できた点が重要だと強調しています。