大腸がん切除手術後の化学療法の必要性が血液検査で判断できる可能性があるそうです。オーストラリアなどの研究チームが医学誌
Nature Medicineに論文を発表しました。
研究では、がん細胞から血液中に放出される循環腫瘍DNA(ctDNA)を測定することで、手術後にがんが残っているかどうかを判断し、術後の治療方針を個別化できることが示されました。
研究チームは、オーストラリア、ニュージーランド、カナダのステージ3の大腸がん患者1000人以上を対象に臨床試験を実施しました。患者は全員、原発性大腸がんの切除手術を受け、術後5~6週間後に血中のctDNAレベルを測定しました。
ctDNAが検出されなかった患者を「低リスク」、検出された患者を「高リスク」と分類し、それぞれ標準治療群とctDNAに基づく治療群に無作為に割り当てました。その結果、低リスク患者の転帰は良好で、87%が術後3年間がんを再発せず、軽度の化学療法でも安全に治療できることが確認されました。また、入院回数や副作用も減少しました。
一方で、高リスク患者は、術後3年間がんが再発しなかったのは49%で、ctDNAレベルが高いほど再発リスクも高まることが確認されました。なお、高リスク患者は集中的な術後補助化学療法を受けても転帰は改善せず、別の治療戦略が必要な可能性も示されました。