父親の新型コロナウイルス感染が、精子の変化を通じて、生まれる子どもの脳の発達や行動に影響を及ぼす可能性があるようです。オーストラリアの研究チームが、科学誌
Nature Communicationsにマウスを使った研究成果を発表しました。
研究チームは、新型コロナ感染から4週間が経過した雄マウスを、健康な雌マウスと交配させました。その結果、生まれたマウスは新型コロナに感染していない父親を持つマウスに比べて不安行動が多いことが分かりました。
特に、生まれた子どもが雌の場合、不安やうつなどに関係する脳の海馬領域の特定の遺伝子活性が有意に変化することが明らかになりました。脳内のこうした変化が、子どもの不安行動を増加させる可能性があるといいます。
また、新型コロナが感染した父親から採取した精子のRNAを解析したところ、新型コロナがさまざまな分子に変化をもたらしたことが示されました。この中には、脳の発達に重要な役割を果たす遺伝子の調節に関与する分子も含まれていました。
研究チームは「新型コロナの流行は、感染者だけでなく、将来の世代にも長期的な影響を及ぼす可能性があり、公衆衛生にとって重要な意味を持つ」としています。