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2025.10.21

母親の腸内細菌が胎児を守る? 胎盤を通じた妊娠維持の仕組み

「ビフィズス菌」に属する細菌を妊娠中のマウスに移植したところ、胎児の発育不全や低血糖などの合併症の発生率が低く、流産も少ないことが判明したといいます。ヒトの妊娠転帰の改善への応用が期待されます。

  • 母親の腸内に存在する「善玉菌」が、胎盤機能の調節を通じ、健康な妊娠の維持に重要な役割を果たす可能性があるようです。英国の研究チームが、医学誌Journal of Translational Medicineに研究成果を発表しました。

    研究チームは、無菌状態の妊娠マウスにビフィドバクテリウム属(ビフィズス菌)に属する「ビフィドバクテリウム・ブレーベ」を移植したマウスと、無菌のままの妊娠マウスとを比較しました。

    その結果、腸内にビフィドバクテリウム・ブレーベを持つマウスは、胎児の発育不全や低血糖などの合併症の発生率が低く、流産も少ないことが判明しました。これらのマウスの胎盤では、アミノ酸や乳酸などの栄養素が胎児に効率よく供給され、妊娠維持に必要なホルモン(プロラクチンや妊娠特異的糖タンパク質)の産生が増加していました。

    さらに、ビフィドバクテリウム・ブレーベの有無によって、胎盤内の150以上の生物学的プロセスに変化が生じることも明らかになりました。

    研究チームは「腸内細菌叢の組成を調べることで、妊娠合併症や流産のリスクを早期に予想できる可能性がある。有益な微生物『プロバイオティクス』を用いることで、妊娠の転帰を改善できるかもしれない」としています。