2018年から23年の間に、監視対象となっている病原体と抗生物質の組み合わせの40%以上で薬剤耐性が増加し、年平均5~15%のペースで上昇していることが分かったそうです。
WHO(世界保健機関)が10月13日に「
2025年世界薬剤耐性監視報告書(Global antibiotic resistance surveillance report 2025)」を発表し、この事実を明らかにしました。
報告書には、「WHOグローバル抗菌薬耐性・使用監視システム (GLASS)」に世界100カ国以上から報告されたデータを基に、薬剤耐性菌に関する情報を分析した結果が掲載されています。
2023年に検査で確認された一般的な細菌感染症のうち、6件に1件(約17%)が抗菌薬に対する耐性を示したとされています。薬剤耐性菌の影響が最も深刻なのは、WHOが定める「南東アジア地域」および「東地中海地域」で、報告された感染症の3件に1件(約33%)が耐性菌によるものでした。また、「アフリカ地域」では、5件に1件(約20%)が耐性菌による感染症でした。
さらに、薬剤耐性グラム陰性菌が世界中で危険性を増していることも明らかになりました。中でも、重篤な血液感染を引き起こすことで知られる大腸菌の40%以上、肺炎桿(かん)菌の55%以上が、第一選択薬である「第3世代セファロスポリン」に対して耐性を示しており、アフリカ地域では耐性率は70%を超えているといいます。
一方、2016年にはわずか25カ国だったGLASSへの参加国は、23年に104カ国に増加しました。しかし、23年は参加国の約48%がデータを報告しておらず、データの信頼性には課題が残されています。WHOは、薬剤耐性の脅威に立ち向かうため、30年までに全ての国から耐性菌に関する質の高いデータが報告されることを目標に掲げています。