イスラエルとイスラム組織ハマスによるパレスチナ自治区ガザ地区での戦闘は、10月10日から停戦が発効しました。しかし、2年にわたる戦闘の影響で、5歳未満の子どもの飢餓が深刻化しているそうです。ガザの医療施設で2024年1月1日~25年8月15日に、生後6~59カ月の子ども21万9783人を対象に行われた栄養状態のスクリーニング調査のデータを、国連の専門機関であるUNRWA(パレスチナ難民救済事業機関)が分析し、その結果を医学誌
The Lancetに発表しました。
調査の結果、ガザでは生命を脅かす栄養失調である「急性栄養失調(消耗症)」の子どもが約5万4600人おり、そのうち1万2800人以上が重度の状態にあることが明らかになりました。急性栄養失調は数週間にわたる治療や入院を必要とする深刻な状態です。
急性栄養失調の有病率は、24年1~6月は5~7%の範囲で推移しましたが、24年9月~25年1月半ばにイスラエルによる厳しい援助制限が行われると、有病率は8.8%~14.3%に上昇しました。25年初頭に6週間の停戦期間があり、支援物資が増加したために改善が見られました。しかし、25年3~5月にイスラエルがガザ地区への支援物資の搬入を遮断したことで、25年8月には急性栄養失調の有病率は15.8%になり、そのうち約4%が重症だといいます。
研究チームは「ガザでは何万人もの就学前の子どもが急性栄養失調に苦しみ、命の危険にさらされている」と警告しています。
ガザ保健省によると、戦闘が始まって以降、栄養失調の合併症による死者は子ども157人を含む461人に上り、特に25年に入ってからの死者が多いといいます。