アルツハイマー病(AD)治療薬の「メマンチン」が、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもの社会性を向上させる可能性があるそうです。米国の研究チームが、医学誌
JAMA Network Openに論文を発表しました。ASDは子どもの2%以上が影響を受けるとされる神経発達症の一種です。
脳内の神経伝達物質である「グルタミン酸」の値が異常に上昇することが関連すると考えられています。メマンチンは、グルタミン酸が「NMDA受容体」に結合するのを阻害し、生理的な反応を引き起こすのを防ぐ薬(拮抗薬)です。
チームは、8~18歳の知的障害のないASDの若者42人を対象に、12週間の調査を実施しました。33人が試験を完了し、16人がメマンチンを、17人がプラセボをそれぞれ投与されました。その結果、ASD患者が困難を抱えるとされる「社会的行動」について、メマンチン群は56.2%が改善したのに対し、プラセボ群で改善したのは21.0%だったそうです。
また、社会的処理や感情認識に関連する「前部帯状皮質膝前部(pgACC)」の脳スキャンを分析ところ、ASDの人は、非ASDの対照群に比べてグルタミン酸レベルが高いことが実証されました。
ASDの参加者のうち、54%が高レベル、残りの46%が中レベルのグルタミン酸濃度だったといいます。そして、高レベルのグルタミン酸濃度の参加者のうち80%がメマンチンに良好な反応を示したことも分かりました。