新生児の敗血症に対する診断や治療のガイドラインは、世界の各地域に合わせて早急に見直す必要がある――。オーストラリアの研究チームが、医学誌
The Lancet Regional Health – Western Pacificに論文を発表しました。
敗血症は、細菌などが感染することによる過剰な免疫反応で全身に炎症が起こり、臓器不全を引き起こす重篤な状態です。新生児敗血症に関する現行のガイドラインは、主に高所得国の患者のデータを基に作成されているといいます。
チームは2019~20年に、スリランカ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、ベトナムの5カ国で、感染が疑われる新生児から採取した1万4804件の血液検体を分析しました。
その結果、新生児敗血症の原因として特定された病原菌のうち78.4%が、大腸菌やクレブシエラ属菌、アシネトバクター属菌といった「グラム陰性菌」であることが明らかになりました。
こうした細菌の多くは、WHO(世界保健機関)が推奨する一般的な抗菌薬に対して薬剤耐性を獲得しやすいことが分かっています。また、真菌感染による敗血症が全体の8.4%を占めており、高所得国に比べて割合が高いことも判明しました。
チームは、「新生児の敗血症による死亡の3分の1は薬剤耐性菌によるものであり、地域に即したガイドラインがなければ死亡率はさらに上昇する」と警鐘を鳴らしています。