2025.07.04
アルツハイマー病など神経変性疾患の神経細胞内には、多糖類のグリコーゲンが異常に多く蓄積していることが分かったそうです。グリコーゲンを分解する酵素の活性化が、病気の治療のカギになる可能性があるといいます。
アルツハイマー病(AD)などの神経変性疾患は、タウタンパク質が細胞内に異常に蓄積することが原因の一つであると考えられています。米国の研究チームが、脳のニューロン(神経細胞)内の「グリコーゲン」という糖の貯蔵物質を適切に分解することで、脳へのダメージを防げる可能性があることを発見したと、科学誌Nature Metabolismに発表しました。
グリコーゲンは肝臓や筋肉に蓄えられ、エネルギーの源になる多糖類で、脳内にも少量存在します。チームは、ハエとヒトのADなどのモデルで、ニューロンにグリコーゲンが過剰に蓄積していることを確認しました。さらに、タウタンパク質がグリコーゲンに結合することで分解が妨げられ、ニューロンの酸化ストレスへの対処機能が失われることで神経変性につながることを突き止めました。
チームは、「グリコーゲンホスホリラーゼ(GlyP)」と呼ばれるグリコーゲン分解酵素を活性化させると、ニューロンが酸化ストレスに強くなり、タウが関連する損傷を軽減できることを明らかにしました。
また、食事制限がGlyPの働きを高め、ハエのADモデルの症状を改善することも確認されました。このことからチームは、ダイエット薬として注目されている「GLP-1受容体作動薬」が、食事制限と同様の作用を通じて認知症治療に有望な可能性があるとしています。