2025.06.10
健康な人の便を使って作られた経口薬「ふん便薬(poop pill)」が、ほとんどの抗菌薬が効かない「スーパーバグ(超多剤耐性菌)」による感染症の予防や治療に有効な可能性があるそうです。英国の研究チームが医学誌Journal of Infectionに臨床試験の結果を発表しました。
チームは、健康なドナーから便を採取し、有害な細菌などが含まれていないことを確認した上で、未消化の食品を除去。それを凍結乾燥させてパウダー状にし、錠剤型のふん便薬を作製しました。
そして、この薬またはプラセボ(偽薬)を、過去6カ月間に薬剤耐性菌による感染症を患った成人患者41人に対して3日間投与しました。ふん便薬は胃を通過し、腸で便パウダーが溶け出すように設計されています。
腸内細菌を分析した結果、ふん便薬を投与された人の腸では薬剤耐性菌が減少し、ドナー由来の健康な腸内細菌に置き換わる可能性が高いことが示されました。また、治療後には腸内細菌の多様性が増すことも確認されました。
WHO(世界保健機関)によると、薬剤耐性菌が直接の原因となる死者は年間に百数十万人いるといいます。ふん便薬がこの深刻な問題に対する新たな解決策として期待されています。