2025.06.04
抗菌薬の過剰使用によって薬剤耐性菌を生み出す国がある一方で、低中所得国では必要な抗菌薬にアクセスすることができずに多くの人々が命を落としているそうです。スイスの非営利団体である「グローバル抗菌薬研究開発パートナーシップ(GARDP)」の調査結果が、医学誌The Lancet Infectious Diseasesに発表されました。
GARDPは、主要な低中所得国8カ国(バングラデシュ、ブラジル、エジプト、インド、ケニア、メキシコ、パキスタン、南アフリカ)における2019年のカルバペネム耐性グラム陰性菌(CRGN)感染症の症例149万6219件を分析しました。
グラム陰性菌は尿路感染症や肺炎、食中毒などを引き起こし、特に新生児や高齢者、免疫機能が低下した入院患者にとって深刻な脅威となります。
調査の結果、CRGNに有効な抗菌薬として調達されたのは10万3647コース(定められた投薬期間)分で、適切な治療を受けた患者は全体の6.9%と推計されました。また、調達された抗菌薬のうち80.5%にあたる8万3468コース分がインド向けでしたが、これはインド国内で必要とされる量のわずか7.8%にとどまりました。
抗菌薬の高額さに加え、医療システムの脆弱(ぜいじゃく)さが抗菌薬へのアクセスを妨げる要因として考えられています。